経験豊かなホテルマンの視点をテクノロジーに反映

「ザ・ペニンシュラ東京」の客室が独自性に溢れていることについてはご理解いただけたのではないかと思うが、その開発過程を知れば、驚かずにはいられないだろう。「ザ・ペニンシュラホテルズ」では、新しくホテルを開業する前に必ず、香港のとある場所に、新規ホテルと同じ体裁のモックアップルームを作り、そこに導入予定の客室内テクノロジーをすべて取り込んで、本社のエグゼクティブたちが入れ替わり立ち替わり体験する。そして、彼らがとことん納得するまで改善し続け、100%の状態になって始めて開業の日を迎えるというのだ。

また、客室のドレッシングルームには女性のマニキュアを乾かすための「ネイルドライヤー」(上写真)が設置されているのだが、これを開発するに至ったきっかけが面白い。

話はこうだ。かつてアメリカのホテルで、技術開発部門のスタッフがタキシードとドレスに身を包んだご夫婦とエレベーターに乗り合わせた。綺麗に着飾った二人であったが、女性の方は必死に手をパタパタさせて、マニキュアを塗った爪を乾かしている様子。それを見たそのスタッフは「きっと、奥様は自分だけでなくご主人の身支度を整えなければならず、ネイルを乾かしている時間がなかったのではないか」と考えた。その結果、2007年に誕生した「ザ・ペニンシュラ東京」からネイルドライヤーが導入された、というわけだ。なんとも素晴らしい心遣いではないだろうか。

「神は細部に宿る」という。もともと建築の世界で生まれたこの言葉は、ディテールにこだわってこそ、作品の本質が決まるということを意味するが、「ザ・ペニンシュラ東京」の客室においては、まさにそれが具現化されている。

ザ・ペニンシュラ東京の概観

「ザ・ペニンシュラホテルズ」は、1928年、香港に旗艦ホテル「ザ・ペニンシュラ香港」を誕生させて、瞬く間に香港社交界の中心地となった。現在、アジア、アメリカ、ヨーロッパなど世界の主要10都市で展開しているが、ハリウッドの大スターや貴族、あまたのVIPに愛されてきたのは、単に高級だからではない。ゲストの誇りを満たす優美と格式、そして、心温まるおもてなしの精神が息づいているからだ。その超一流のホスピタリティ、一度、味わっておいて損はないと思うが、さて、いかがだろう。

「ザ・ペニンシュラ東京」の一押し宿泊プラン「スイート エスケープ」

レストランでのアメリカンブレックファスト(2名分)や直営レストランで利用可能な1万円分のダイニングクレジットが付いた宿泊プラン。ペニンシュラ仕様のMINIクーパー S クラブマンの利用(※ドライバー付き、諸条件あり)や9時からのアーリーチェックイン、19時までのレイトチェックアウトなどの特典付き。痒い所に手が届く“ペニンシュラ・ホスピタリティ”を十二分に体験できることうけあいだ。


スイート エスケープ

116平米のスイートルーム「デラックススイート」

「スイート エスケープ」
期間:2018年12月31日まで
料金:デラックススイート22万6000円~(税サ・東京都宿泊税別)
※上記価格は1室2名の料金。3名で宿泊の場合は追加1万円(税サ・東京都宿泊税別)。銀座方面の眺望を楽しめるエグゼクティブスイート(11万7000円~ ※税サ・東京都宿泊税別)にも宿泊可能。

問い合わせ情報

問い合わせ情報

ザ・ペニンシュラ東京
住所/東京都千代田区有楽町1-8-1
TEL:03-6270-2888

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