誰もがカッコいいと思うクルマ
8シリーズはBMWに詳しいひとなら“なつかしいネ”と思うかもしれない。1990年から99年にかけて作られていた2プラス2シーターのクーペだ。
2018年6月にその名前が復活した。新しい世代の8シリーズは、従来の6シリーズクーペに代わるモデルである。
今後6シリーズはSUVとセダンのいいとこどりのようなクロスオーバーモデル「グランツーリスモ」として残るが、スタイリッシュでパワフルなクーペは8シリーズに移行するのだ。
ル・マン24時間レースの舞台となったサルトサーキットの特設会場でアンベールされたのは「M850i Xドライブ」。
M5という高性能セダンと共用の4.4リッターV型8気筒を搭載し、フルタイム4WDシステムに後輪操舵システムまで備える。
全長4.8メートルという伸びやかなボディを持ち、古典的なスポーツカーの美しさを感じさせるスタイルが特徴だ。
ハイブリッドのスポーツカー「i8」とどこか印象が共通するスタイリングだけれど、より直球勝負。たいていのひとがカッコいいと思うはずだ。
クルマのように4つのタイヤと箱型の車体を持ち、美の定理がある程度決まっているプロダクトで、市場はどこまで斬新な試みを許してくれるか判断は難しいところだ。
M850i Xドライブは、誰が見ても納得するようなBMW車の魅力的な要素を選び出して、それでスタイリングを構成したような印象がある。