600馬力、V型8気筒ツインターボエンジン搭載

欧米のビジネスパートナーと話す機会が多いひとは、「ところできみの好きなクルマは?」と訊かれたことがあるのでは? 相手が英国人の場合、「マクラーレンも大好きだよ」と応えるとかなり喜ばれるはず。

英国のスポーツカーメーカー、マクラーレンは日本ではまだまだ知名度が高くない。でも知っておいていいブランドだ。アイルトン・セナが活躍したのもマクラーレンのF1である。

スポーツカーは、F1開発チームと同じ建物内のマクラーレン・オートモーティブが手がける。人的交流もそれなりにあるようだ。

英グッドウッド「フェスティバル・オブ・スピード」会場で一般にお披露目された「600LT」

最近では2017年12月に800馬力のスポーツカー「マクラーレン・セナ」を発表。続いて2018年7月に「600LT」をお披露目した。これが最新ニュースだ。

600LTはその名のとおり、600馬力(すごい出力)の3.8リッターV型8気筒ツインターボエンジンをミドシップしたモデル。2人乗りの後輪駆動スポーツカーだ。

マクラーレンは基本的に数字とアルファベットで車名を表すので、ちょっとおぼえにくいと思うひともいるかもしれないが、じつはむずかしくない。

600LTの場合、数字は馬力、LTとはロングテールの略である。90年代にルマン24時間レースに出走したF1 GTRロングテールというレーシングカーに由来している。(この場合「F1は車名」)

名前が表しているように、車体後部(テール)を少し延ばして空力的な効果をねらっている。600LTも実際、570Sというモデルに対して74ミリ延長されている。

コクピット背後から排気管が上に突きだしているのは排気管を出来るだけ短くして重量減を目指したためと説明される
カーボンファイバーのシートなど内装も軽量化がはかられている

このマシンはマクラーレン車の例に漏れず、ディヘドラル(dihedral)ドアといって上に跳ね上がるドアを採用している。じつはこれには理由がある。

カーボンモノコックというレースカーのようなシャシーを採用しているので、通常のドアは使えないのだ。こういうこだわりがファンを惹きつける理由だ。