マクラーレンは絶対にSUVは作りません

「フェスティバル・オブ・スピード」では800馬力の「マクラーレン・セナ」の同乗走行の機会も提供され大人気だった

マクラーレンのクルマは3系列。これもおぼえておいてもいいかもしれない。ひとつは公道で楽しめる「スポーツシリーズ」。「570」系と「540」だ。600LTはこのシリーズの頂点に位置する。

二つめは「スーパーシリーズ」で、「720S」がある。そして頂点にはサーキット走行に軸足を置いた「アルティメットシリーズ」があり、モデルは「セナ」である。

やはりレースカーなみの走りを体験させてくれる720S

「SUVは絶対に作りません」とはマクラーレン・オートモーティブのマイク・フルーウィットCEOの言葉だ。4ドアもない。スポーツカーだけと潔い。

スペシャリストなる言葉があって、かつてはポルシェもランボルギーニもロールスロイスもスペシャリストだった。でも昨今はこれらのメーカーもSUVを手がけるようになり、自己定義があいまいになっている。

そこにあってマクラーレンは潔い。自動車好きはそんなところを応援したくなるのだ。

「僕が好きなクルマはマクラーレン」と言うとき、自分の生き方のポリシーをじつは語っているようにも思われる。ほかのビジネスの分野でも参考にしてもいいブランディングはないだろうか。

英ウォーキングのマクラーレン本社でジャーナリスト向けに「600LT」が公開された

小川 フミオ/Fumio Ogawa
慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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