まったく新しいコンセプトSACとは?
BMWじしんが「まったく新しいコンセプト」と謳う新型車「X2」が2018年4月16日から日本でも受注開始。7月末にようやく試乗できた。
X2のおもしろさは、スポーティなクルマづくりでならすBMWのイメージにぴったりなことだ。ジャンルは一般的にはSUV(スポーツヒューティリティビークル)だが、BMWはSAC(スポーツアクティビティクーペ)とする。
SUVの販売が好調という日本の市場はいまや大乱戦といってもいい。キープコンセプトといって外観のイメージは継承しつつ、デザインで新機軸を打ち出すもの難しく、エンジン性能や安全装備の充実などで差異化をはかるケースが多い。
それもいいのだけれど、なんとなく新しいクルマを買った気になれない……と思っているユーザーが注目すべきが、スタイリングコンセプトが斬新なX2である。
4ドアにハッチゲートというボディだが、あえてクーペとしたのは、大きな車輪に対してキャビンを小さく見せるというデザイン手法を採用しているからだ。
どことなく1シリーズをSUV化したような雰囲気もまとうが、より大きくふくらんだフェンダーや、エアダム一体型の大型バンパー、それに各所の“差し色”など、ユニークなスタイルがセリングポイントとなっている。
「エクストリームスポーツに触発されて」とBMWではデザインのインスピレーションを説明する。さきに登場したボルボV90クロスカントリー(オーシャンレース仕様)やスバル新型フォレスタ(X-BREAK)でも見られる手法だ。これがいまのトレンド最前線といえるかもしれない。
X2は仕様が2つ。1.5リッター3気筒ガソリンエンジンに前輪駆動の「sDrive 18i」と、2リッター4気筒ガソリンエンジンに4WDの「xDrive 20i」だ。この試乗記は後者のxDrive 20iについてである。
このクルマの注目点は、さきに触れたように、トレンドに乗った製品とはいえそこに埋没せずに、ちゃんとメーカーのアイデンティティを際立たせている点だろう。
全長4375ミリ、全幅1825ミリ、全高1535ミリと比較的コンパクトなボディだが、ガルバニックゴールドという黄金色の外板色といい、かなり強烈な存在感を持つ。
どことなくトレンドを意識しながら自社製品が持っているイメージを大事にする。この手法は長い目で見たときにブランドアイデンティティの構築にたいへん重要だ。