アストンマーティンは、ご存知のように英国のスポーツカーメーカーである。創業は1913年で、戦前から1950年代までのレースでの活躍ぶりがブランドを確立した。
とりわけ米国でのアストンマーティン人気は高く、“ちょっとキザでワルな英国紳士=アストンマーティン”のイメージは、007シリーズから見て取れる。
最新のアストンマーティンは2018年7月に発表された「DBSスーパーレッジェーラ」という。5.2リッターV12気筒をフロントに搭載した725馬力の後輪駆動で、大きなライバルはフェラーリ・スーパーファストだ。
ぼくが試乗した場所はミュンヘンからオーストリアへと向かったベルヒテスガーデン。山の中にある人気の保養地だ。
アウトバーンがあり、ワインディングロードがあり、さまざまな性能が試せるコースである。
アストンマーティンの会社規模はそんなに大きくない。それからすると意外なほどアクティブに新車を発表してきたため、モデルレンジがやや複雑になっていた。
現在同社のマネージメントはその反省に立ち、ユーザーにもわかりやすいモデルマトリックスを構築中だ。
2017年12月に発表された「DB11」が最新のラインナップの原点ともいえるモデル。このクルマはGTといって快適に長距離を走れることを目指して開発された。
基本的に同じシャシーを使いながら、サーキットも走れるモデルが「ヴァンテッジ」。AMGから提供される4リッターV8をベースにした800馬力のエンジンが用意される。
そしてこのヴァンテッジとDB11の間に入るのが今回のDBSである。スーパーレッジェーラ(超軽量を意味するイタリア語)のサブネームのとおり、DB11より約70キロ軽く、アストンマーティンでは「スーパーGT」と呼ぶ。
GTなので、2プラス2のパッケージを持ちトランクルームもそれなりに容量がある。いっぽうで速い。使い勝手のいいスポーツカーという点で、ポルシェ911ターボを思わせる。