全室スイート仕様、リブランドしたホテル雅叙園東京が賑わう理由

「ホテル雅叙園東京」のリブランドに取り組んできた総支配人の吉澤真一朗氏に話をうかがった。

「3年前に着任したのですが、雅叙園に感動した気持ちをもとに、新しく加わったマーケティグチームスタッフのノウハウも取り入れ、唯一無二のミュージアムホテルとして、ホテル雅叙園東京を世界へ発信しているところです。

創業者の細川力蔵は、『だれもが一日“お大尽気分”で優雅に過ごしてほしい』と考え、夢の空間を創りました。昭和初期にそうした発想を持つことはすごいですし、お客様を思いやる心づかいを感じます。そうした創業者の思いを守り継いでいきたいと思っています。

宿泊客限定のアートツアーは、ホテルに宿泊することで、普段見ることができない美術品や文化財に触れていただく機会です。それが、ここに泊まりたいという動機になり、他のホテルとの差別化に繋がると思います。

おかげさまで海外の富裕層の利用も増えており、今後はアジア圏だけでなく、欧米の方々にもアプローチしていきたいと考えています」

世界80カ国、520軒以上の独立系の高級かつ小規模なホテルだけで構成される「Small Luxury Hotels of the World（SLH）」に加盟。世界に通用する、優雅なラグジュアリーホテルとして、着実に歩みを進めている。

また、欧米へのアプローチの第一弾となるのが、11月15日にフランス・パリで開かれる海外プロモーションイベント「A MUSEUM HOTEL of JAPAN BEAUTY」である。招待客はメディアを中心に、インフルエンサー、大使館、VIPを予定。取材時には、ホテル内でフランス人アーティストによる雅叙園を舞台にしたショートムービーの撮影が行われていた。

今や、海外の人も日本の文化や生活に深い関心を寄せる時代。ほかのホテルにはない日本美が詰まったミュージアムホテルを謳うホテル雅叙園東京に対して、国内はもちろん、アジアさらには、欧米からの注目度が上がる日が来るのは、そう遠くないのかもしれない。