自動車インポーターとして、品位を保つ服装を心がけている
クルマと人の関係がオーナーシップからシェアリングへと推移し、AIなど新たなテクノロジーとの融合によって自動車産業が大きく変貌しつつあります。オーセンティックなイメージが強いわが社も、他業界との協業をいっそう図るとともに、さまざまな挑戦をしていかねばなりません。こうした情勢に伴って、ビジネスの装いもより柔軟なスタイルへと変化を遂げています。
例えば、インターナショナルな場ではノータイやジーンズといったカジュアルなスタイルが主流となりました。また、近年ドイツ本社も雰囲気が変わり、タイドアップが珍しいものとなりました。
とはいえ、日本においてはまだそこまで極端な変化は求められていません。新車の発表会などでは車両のイメージに服装を合わせて、Tシャツにジーンズという場合もありますが、基本的にはお客さまが我々に求めているのは、品位漂うクリーンなスタイルだと考えています。
オーダースーツは、自分の体型維持にも効果的!
「銀座三越」で誂えたネイビーのスーツは、着心地がいいうえにビシッとキマる私の勝負服です。何を格好いいと思うかは人それぞれですが、清潔感については誰もが同程度の尺度を共有していると考えられますので、大切な会議の前などは入念にシワ、ヨレのチェックをするようにしています。加えて、信頼感を与えたいなら、無駄のない正しいサイズは、見逃すことのできないドレスコードでしょう。理想的な体形を維持するための戒めとしてもジャストサイズが効果的です。
着心地のよさも重視すべき点だと思います。体に完璧にフィットした一着は、動きを妨げず、振る舞いに余裕をもたらします。自ずと仕事のパフォーマンスも上がるはずです。ベストコンディションの体形に合わせてオーダーした一着の着心地に違和感を覚えるようになったとしたら、それは自分の体形変化への警鐘なのです。
シャツは「伊勢丹メンズ」オリジナルの鹿の子素材のワイシャツを愛用しています。とにかく動きやすく快適、かつシワがつきにくい点が気に入っています。
着心地のよいものを身につけると、身体的にだけではなく、内面もリラックスし、心に余裕が生まれます。自分の感性に従って、しっくりくるものを選ぶこと、それは服装だけでなく、クルマ選びにも当てはまるかもしれませんね。
愛用の逸品~フランク ミューラーの腕時計
上野金太郎/Kintarou Ueno
1964年、東京都生まれ。早稲田大学卒業後、創業間もないメルセデス・ベンツ日本に新卒採用1期生として入社。営業、広報、そしてドイツ本社勤務を経て帰国後、社長室室長、商用車部門取締役や副社長などを経験。2012年より現職。
text:Lefthands
photography:Isamu Itoh
hair & makeup:RINO
from:PRESIDENT 2018.6.18