派手ではない。燻し銀のようにシブい。その実、1907年世界最薄の懐中時計や1929年縦14×幅4.8㎜の世界最小機械式ムーブメント「キャリバー101」を開発するなど、ジャガー・ルクルトは懐中時計の時代から今日まで革新的な技術を蓄積してきたファインウォッチメーキングのリーダー的存在である。

ケースが反転するというギミック的な面白さで知られる「レベルソ」はいまやジャガー・ルクルトのアイコンである。ポロ競技で腕時計の風防ガラスが破損することの多かったかつて、それを防ぐために反転方式が発明された。いかにもルクルトらしいユニークな発想だ。1931年のことだった。

「REVERSO TRIBUTE SMALL SECOND」(レベルソ・トリビュート・スモールセコンド)は、1931年誕生のレベルソ第1号モデルに着想を得た文字盤がピュアな美しさを演出。透明ラッカー仕上げを施したミッドナイトブルーの文字盤がエレガント。裏側はエングレービングするなどしてカスタマイズできる。興味深いストーリーがあり、レクタンギュラーのケースはバリバリのアールデコデザイン。1930年代のクラシシズムが息づく洒落た世界がある。

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ジャガー・ルクルト


edit & text:d・e・w
photograph:Shoichi Kondo