時計店の扉を叩くのに、まだとまどいの残る若い世代にも気軽に訪れてほしいという思いから、「エントランス」をコンセプトに掲げ、ブログやSNS、アプリなど現代の発信ツールを駆使して機械式時計の魅力を発信するカミネ クロノメトリー店。同店次長の片野元太さんが選ぶ出世ウォッチは、いずれも長い歳月を経て磨き上げられたオーセンティックなモデルです。
▼30代のビジネスパーソンの出世ウォッチ:
ブライトリング「ナビタイマー 1 B01 クロノグラフ 43」
■購入後も信頼性の高い航空用クロノの名品
1952年に初代「ナビタイマー」が誕生して以来、今日に至るまでデザインが大きく変わっておらず、若い年代で購入しても長年使っていただけるモデルです。今回お薦めしたカーフ・ストラップのほかに、メタル・ブレスレットを選ぶことも可能です。どちらとも相性がいいので、お好みや用途によってお選びいただけます。
内部に搭載するブライトリングの自社開発・製造の自動巻き、キャリバー01は不具合が少なく、アフターケアの面からも安心してお薦めできるモデルです。
▼40代のビジネスパーソンの出世ウォッチ:
ジャガー・ルクルト「レベルソ・トリビュート・デュオ」
■ビジネススタイルにふさわしい気品と個性
もともとムーブメント製造工房として始まったジャガー・ルクルトは、内部の機械に定評があります。さらに、代表的なモデルの「レベルソ」は、アールデコを踏襲したケースのデザインも美しく、レクタンギュラー(長方形)ケースの普遍的デザインとして名を馳せています。また、レベルソ特有の反転式ケースにより、昼と夜の2つの“顔”が楽しめる点も魅力です。
知名度の面ではまだまだ玄人好みの時計かも知れませんが、ビジネスシーンでは高いステータスを獲得しています。流行りに左右されない、確かな選択眼の証しとなるはずです。
▼50代のビジネスパーソンの出世ウォッチ:
グランドセイコー「エレガンス コレクション(SBGW237)」
■控えめでありながら格が高いジャパンメード
さまざまな高級品を手にしてきた50代の方だからこそ、原点回帰のシンプルなモデルを。
そこでお薦めしたいのは、緻密に計算し尽くされたデザインや世界トップレベルの組み立てのクオリティーなど、日本の“ものづくり”の精神を象徴するグランドセイコーの腕時計です。中でもセンター3針、手巻き式という控えめなこのモデルは、洗練された50代にこそふさわしいモデルです。シンプルでありながら格の高さも併せ持つため、ビジネスシーンでも品格ある手元を演出してくれるはずです。
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