「アルソー ルゥール ドゥ ラ リュンヌ」
──エルメス
優雅な月世界へ

肩の力は抜けてリラックスした感があり、けれども品良く優雅というのがエルメスの表現ではないだろうか。上下のラグがアシンメトリーの時計「アルソー」はまさにそんなエルメスの“はずし”のエスプリを体現している。

「月の時間」という意の「ルゥールドゥ ラ リュンヌ」はアルソー・シリーズの新作ムーンフェイズだ。こちらは複雑機構を、生真面目一方の野暮の対極にあるエレガンスで表現する。いつでもエルメスには、夢がありファンタジーがあり自由がある。

北半球の月には月の表面模様が描かれているが、南半球の月にはクリエーティブなデザイナー、ディミトリ・リバルチェンコの描く天馬ペガサスのイメージが。馬にかかわりの深いエルメスならではのウィットだ ©Lucas Vuitel

ムーンフェイズには天空のファンタジーを

メテオライトの文字盤にはマザー・オブ・パール製の南半球(上)、北半球(下)の月がそれぞれ象嵌技法ではめ込まれ、その上を連結された二つのスモールダイヤル(時分表示計と日付表示計)が宙に浮いてダイヤル周縁に沿って動き、59日間で1周する。伝統的なムーンフェイズでは小窓に現れる月で表現するところを、この時計ではダイヤルいっぱいの大きさで南・北半球の月相を表現する。さらに南半球の月の表面にはエルメス・スカーフのデザインを手がける、ディミトリ・リバルチェンコの描く天馬ペガサスのモチーフが配されるなど、エルメスらしさ横溢のコンプリケーションだ。

「Arceau L'heure de la Lune」

ここで取り上げたのはメテオライト製文字盤+グレーグラデーション・ラッカー仕上げの可動式スモールダイヤルのモデル。ほかにアベンチュリン製文字盤+ホワイトラッカー仕上げのスモールダイヤルモデルもある。各100本の世界限定版。パワーリザーブは約50時間。

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エルメス


text:d・e・w
photograph:Kazuteru Takahashi