この時計は、こんな男を物語る
・人と同じではつまらない
・アーティスティックな感性を持ちたい
・先進的な技術に目がない

自然界の美をつくるウブロの先進技術

高級時計の中には、エナメル装飾やエングレービングといったメティエダール(芸術的な手仕事)を駆使して、工芸的な美を創出した時計がある。こうした“工芸時計”は、主に宝飾品を手がけるジュエラーが得意とする分野だが、今年はスイス・ジュネーブを拠点とするウォッチブランドのウブロが一風変わったモデルを発表した。「クラシック・フュージョン ゴールドクリスタル」である。

その異色さはダイヤルの装飾、ゴールドクリスタルにある。クリスタルとは結晶の意であり、直訳すれば金の結晶となる。だが、クリスタルというワードは、水晶などを指すことはあっても、金を称することはまずない。それは、自然界で金の結晶がつくられることがほとんどないためだ。

ウブロの中では最もシンプルな「クラシック・フュージョン」コレクションから登場。ケース径は45mmと38mmの2サイズ

ウブロは、その金の結晶を人工的に創造してしまったのである。製法をごく簡単に説明すると、24金(純度ほぼ100%)のゴールドを、可能な限り純度が高い状態で融点(約1064℃)まで加熱。すると、蒸気とともにゴールドの微粒子が放出され、それが冷たい空気に触れると結晶になるというプロセスだ。放出される微粒子の形状はランダムであり、同じものが二つとないため、出来上がるゴールドクリスタルもすべて形状が異なる。つまりすべてがユニークなダイヤルになる。

さらに、そのゴールドクリスタルをダイヤルに固着する手法もまた手が込んでいる。生成されたゴールドクリスタルを切削・整形した後にブラックダイヤルの上に置き、そこに透明なラッカーを、わずかな気泡も入らないように、20層も塗り重ねるという。完全に乾いた後で表面がフラットになるように磨きをかけ、ようやく一つのダイヤルが完成するという懲りようだ。

ゴールドクリスタルの形状は一つひとつ異なり、全てがユニークピースとなる。完全受注生産となり、オーダーを受けてから制作される

金の結晶をつくるという発想、そしてその美しさに目を奪われがちだが、それを具現する技術もまた現在のウブロを物語る。ウブロは素材開発・加工の面では世界トップクラスの力量を持つ。ゴールドにおいても、プラチナを混合したキングゴールドや、炭化ホウ素セラミックを混合したマジックゴールドなどの独自素材を開発してきた。それらの開発で培ったノウハウがあればこその発想であり、技術であると言っていい。

芸術的な手仕事がメティエダールであれば、このウブロの時計は、先端的な技術から生まれたアバンギャルド・アートとでも呼ぶべきか。儚げな金の結晶を半永久的に閉じ込めた時計なんて、他に類を見ない。非凡な感性のシンボルと称する理由である。

「クラシック・フュージョン ゴールド クリスタル ― 45mm」。ブラックセラミック。ケース径45mm。自動巻き。アリゲーター×ラバー・ストラップ。5気圧防水。223万円(税別予価)。38mmモデルは212万円(税別予価)。ともに完全受注生産。8月発売予定
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LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ
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