この時計は、こんな男を物語る
・既成概念がつまらない
・自分の「土俵」で勝負する
・ユーモアや遊び心を解する
高級時計をつくるのではなくシャネルの時計をつくる
あらゆる変革は周辺から生まれる。腕時計についてもまた然り。ウォッチワールドのコアな位置にいて、改良はできたとしても時計のコードを突き破ることはできない。シャネル「J12」の登場とその成功は、まさにそれを証明する出来事だった。
2000年発表のブラックセラミックの時計に、時計のプロたちは驚き困惑した。セラミックという素材といいブラックという色といい、高級時計のコードをすべて踏み外していたからだ。その3年後、今度はホワイトセラミックのJ12の登場でさらに狼狽する。白はレディースに決まっている、メンズではあり得ない。これが時計界の常識だったのだ。
シャネルは高級時計のコードなんかに意を介さず、あくまでもシャネルのコードに忠実だったまでだ。それから20年、いまやシャネルは高級時計の世界で、独創性で抜きんでた確固とした位置を占めている。
シャネルにとって今年はJ12祝祭の年だろう。新作は記念年にふさわしく、遊び心横溢の「J12・20」。シャネルを象徴するモチーフを20、ランダムにダイヤルやベゼルに描くとともに、J12にちなみ12個のダイヤモンドがセットされている。
誕生20周年というアニバーサリーにありながら気負いなど微塵もなく、余裕綽々。またしても高級時計のコードをいとも簡単に踏み外す。これぞ“ザ・シャネル”な楽しい時計だ。
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シャネル(カスタマーケア):0120‐525‐519
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