東京・銀座の並木通りの京橋寄り、東京メトロ銀座一丁目駅から徒歩数分の位置にあるのがショパールの日本の旗艦店、ショパール ブティック 銀座本店だ。店内は3フロアで構成され、2階をジェントルメンズサロンとして男性用腕時計をディスプレーしている。

ジェントルメンズサロンではお酒を楽しみながらゆっくり時計選びができるほか、不定期でウイスキーやワインなどの顧客向けイベントを実施している(現在はオンラインで開催)。ショパールのブティックは、東京ではほかに日本橋三越本店やギンザ シックス、伊勢丹 新宿店などにもあるが、ジェントルメンズサロンという空間で紳士の世界観に浸れるのはこの銀座本店のみとなる。

ショパール ブティック 銀座本店

東京都中央区銀座 2‐4‐14 ショパールビルディング
03‐5524‐8972

店内
2階のジェントルメンズサロン。暖炉のある空間にアートやレーシングカーのミニチュアなどが配され、紳士の趣味部屋のような雰囲気
店内
時計店とは思えないほど立派な銘酒のディスプレー。ショパール共同社長のカール‐フリードリッヒ・ショイフレ氏は大のワイン好き。彼が手がけるワインも用意されている

クラシックカー好きならやっぱりこれ

そんなショパール ブティック 銀座本店で探す「ほうび時計」、まずはクルマ好きに薦めたいのが「ミッレ ミリア 2020 レース エディション」だ。ショパールはイタリアで開催されるクラシックカーラリー「ミッレ ミリア」のメインパートナーを30年以上務めており、毎年、その年限定の腕時計、レースエディションを発表している。今回選んだのはその2020年モデルとなる。

これまでのレースエディションは、カーレースの世界観を体現したスポーティーなデザインが多かったが、今年のモデルはDLCコーティングによりブラックカラーとなったケースと、ローズゴールドのベゼルによるツートンカラーでモダンに洗練された。品質を重視するショパールらしく、COSC(スイス・クロノメーター検査協会)の認証も取得している。

時計着用イメージ
モダンな方向に洗練された「ミッレ ミリア 2020 レース エディション」。ダイヤル中央の「1000 MIGLIA」がミッレ ミリア・コレクションの証し。ステンレススティールケース(DLC加工)、18Kエシカルローズゴールドベゼル。ケース径42mm。自動巻き。50m防水。カーフスキン×ラバー・ストラップ。96万円(税別)。世界限定250本 ※モデルの手首幅:60mm
時計ケースバック
ブラックを基調とするためサファイアガラスを着色して半透明のようなケースバックに。ストラップの裏側には、レーシングタイヤから着想を得たラバーのライニングが付く

シンプルながら洒落っ気は別格

続いては、ショパールでも初の試みとなる珍しいモデルを紹介しよう。「L.U.C XP イル サルト キートン」は、イタリア・ナポリの高級テーラー「キートン」のアトリエとのパートナーシップにより製作されたモデルだ。両社はともに大手グループに属さない独立したファミリーメゾン。ものづくりのフィロソフィーで共通するものがあり、パートナーシップにつながったようだ。

ダイヤルには、キートンのアトリエがイギリス国王エドワード8世のワードローブをオークションで落札して以来、愛着を持っている千鳥格子柄があしらわれている。またストラップは、モンゴル産カシミア、ウール、フランネルに、快適な付け心地を生む少量のスパンデックスを組み合わせて手作業で製造されたもの。裏側にはビビッドなレッドのライニング。見えないお洒落が大人の粋を感じさせる。シンプルながら単純にあらず、お洒落感の高いモデルとなっている。

時計着用イメージ
世界限定100本のプレミア感もほうびにふさわしい「L.U.C XP イル サルト キートン」。6時位置にはキートンのアイコンである赤ボタンのモチーフが配された。ステンレススティールケース(DLC加工)。ケース径40mm。自動巻き。30m防水。ファブリック×アリゲーター・ストラップ(別にアリゲーター・ストラップが付属)。124万円(税別)。世界限定100本 ※モデルの手首幅:60mm
時計ケースバック
ケースバックはグレーの半透明。マイクロローター採用によりムーブメントの薄型化を図り、ケース厚を7.2mmに抑えた。2重香箱を備え、パワーリザーブは58時間
時計専用ボックス
このモデルには表裏両面アリゲーターのストラップが付属する。キートンのロゴ入りプレートが備わる専用ボックスも特別感を演出してくれそうだ

単なるトゥールビヨン・ウォッチではない

最後は、ショパールの最高峰コレクション「L.U.C」から特別な一本を取り上げよう。ショパール初のフライングトゥールビヨンを搭載し、昨年発表されたのが「L.U.C フライング T ツイン」。モデル名の「T」はトゥールビヨンを、ツインとはショパール独自のテクノロジーによる2重香箱を搭載していることを意味する。パワーリザーブは65時間。

このモデルが一般的なトゥールビヨン・ウォッチと一線を画しているのは、複雑機構、エレガンス、高品質を“三つながら”に高いレベルで実現している点だ。フライングトゥールビヨン自体はいまでは珍しいものではないが、それを7.2mm厚という薄型のケースに納め、さらにCOSC(スイス・クロノメーター検査協会)の認証と、高性能と美観の証しとなるジュネーブ・シールをともに取得したモデルとなると類例がない。複雑時計といえども上品さと高品質に妥協しないウォッチメーキングがいかにもショパールらしい。

スイスでも数少ない本格マニュファクチュールの最高峰モデルである。今年一年「よくやった!」と胸を張れるようなら、こんな時計で自分の功績をたたえるのもいいはずだ。

時計着用イメージ
ダイヤルに施されたハニカムモチーフの装飾も美しい「L.U.C フライング T ツイン」。エシカルな18Kフェアマインド認証ローズゴールドケース。ケース径40mm。自動巻き。30m防水。アリゲーター・ストラップ。1314万円(税別)。世界限定50本 ※モデルの手首幅:60mm
時計着用イメージ
マイクロローターや2重香箱の独自技術により、フライングトゥールビヨン搭載の自動巻きモデルでありながらケース厚7.2mmの薄型時計に仕上げた。シャツの袖口に自然とすべり込む控えめな存在感がショパールの求める上品さだ

この記事の情報は2020年11月18日時点のものです。在庫や価格などが変動する場合があります。

問い合わせ情報

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ショパール ジャパン プレス
TEL:03‐5524‐8922

text:d・e・w
photograph:Kazuma Okita