華やかな時代の名作で互いをセレブレート

仕事や私生活で大きな山を乗り越えた、夫婦にとってのメモリアルな年だった、あるいは来年に向けて自分たちを鼓舞したい――。この1年が例年に増して印象的なものだったのであれば、その記憶を留めるペアウォッチもそれ相応のものを選びたい。そもそも自分たちへの褒美の意味合いが強いペアウォッチである。普段だったら躊躇してしまいそうなサプライズがあるくらいがちょうどいい。

ここで取り上げるピアジェの2本は、まさにそんな視点で選んだ腕時計である。ご覧のとおり、それぞれに独創的なデザインを湛えながらも、18Kピンクゴールドとマラカイトの鮮やかな組み合わせが2人の強い絆を鮮明に物語る。印象的な1年を刻むインプレッシブなペアウォッチとして推奨するゆえんである。

「ライムライト ガラ」と「アンディ・ウォーホル ウォッチ」
(左)大胆かつ優雅なフォルムに1970年代のテイストを宿す「ライムライト ガラ」。ケース、ブレスレットは18Kピンクゴールド。ケースにダイヤモンドをセット。ケース径32mm。自動巻き。3気圧防水。778万8000円 (右)ステップベゼル付きのクッション形ケースが無二の存在感を放つ「アンディ・ウォーホル ウォッチ」。18Kピンクゴールドケース。ケースサイズ45×43mm。自動巻き。3気圧防水。アリゲーターストラップ。787万6000円(共に税込み)

まず女性向けのモデルは、ピアジェの主要コレクションである「ライムライト ガラ」からセレクトした。アシンメトリーなラグの一方が、滑らかな曲線を描きながらブレスレットへとつながるデザインは他に類を見ない。このデザインの誕生は1973年にさかのぼる。

ラグジュアリーの世界において、1970年代は次々と新しいものが生み出されるクリエーションの黄金期だった。その中で創造性を発揮したメゾンの一つがピアジェである。もともと高い水準にあったゴールドの加工や細工の技術を自由で大胆な発想で開花させ、エレガントかつアバンギャルドなジュエリーやジュエリーウォッチを次々と発表する。

無尽蔵に湧き上がるようなピアジェのクリエーティビティーは、その時代のセレブリティーやアーティストたちの目にも留まる。“ピアジェ ソサイエティ”と称した国際的なコミュニティーのリストには、サルバドール・ダリ、ジャクリーン・ケネディ、エリザベス・テイラー、ケーリー・グラントといった錚々たるメンバーが名を連ねたという。そうした70年代の華々しい空気を色濃く残すのが、今回セレクトしたライムライト ガラである。この1年の感謝と、共に過ごした喜びを代弁してくれるような華やかさがある。

「ライムライト ガラ」ケース
ケースからラグ、そしてミラネーゼブレスレットへと滑らかなフォルムを描く。ケースには約1.66カラットのラウンドブリリアントカット・ダイヤモンドをセット。宝飾技術にも長けたピアジェの面目躍如である
「ライムライト ガラ」ダイヤル
今回セレクトした2本のダイヤルは共にマラカイト製。グリーンの濃淡が織り成すランダムなストライプが自然の生命力を感じさせる。1枚ずつ削り出しているためストライプのパターンには個体差があり、それぞれがユニークな表情を見せる

先述のピアジェ ソサイエティは、創業家4代目のイブ・ピアジェが立ち上げた国際的なコミュニティーであり、世界的な俳優、歌手、作家、芸術家などが名を連ねた。その主要メンバーの一人が現代アートの巨匠、アンディ・ウォーホルだった。ピアジェに残る資料によると、ウォーホルは7本以上のピアジェ・ウォッチを所有しており、中でも思い入れの強いモデルが当時「ブラックタイウォッチ」と呼ばれたクッション形ケースのタイムピースだった。今回、男性向けに選んだのは、そのブラックタイウォッチを現代的に再解釈した「アンディ・ウォーホル ウォッチ」である。

審美眼に優れたウォーホルは多くのラグジュアリーブランドと親交があったが、現在、彼の名を付すことができるのは、アンディ・ウォーホル美術財団との正式なライセンス契約を交わしたピアジェのこのコレクションのみ。今回セレクトしたモデルは、往年のフォルムをほぼ忠実に再現したクッション形ケース、緻密に造形されたステップベゼル、さらにマラカイト製のダイヤルが生むランダムなストライプパターンが相まって、その見目はさながらアート作品のよう。褒美の1本としての特別感はこの上ない。

「アンディ・ウォーホル ウォッチ」ケース
アンディ・ウォーホル ウォッチのケースは正面から見るとボリューム感があるが、薄型時計に長けるピアジェらしくケースの厚みは7.6mmに抑えられている。着装すると程よい存在感と手首に吸い付くような一体感がある

ウォーホルが愛用したブラックタイウォッチが誕生したのは1972年のこと。同じ1970年代のクリエーションに由来するためか、デザインのアプローチやスタイルは異なるものの、これら2本を並べても何ら違和感がなく、むしろそのテイストは美しく調和している。タイムピースとしての基本形を崩すことなく大胆な個性を吹き込む創造性には目を見張る。2人のハイセンスを雄弁に物語るペアウォッチである。

問い合わせ情報

問い合わせ情報

ピアジェ コンタクトセンター
TEL:0120‐73‐1874


photograph:Kazuteru Takahashi
edit & text:d・e・w