Editor's Note

20世紀初頭に現在の一般的なクロノグラフ機構の原型をつくり上げ、その後も航空用のさまざまな計算尺を発明してパイロットから絶大な支持を集めた。そうした歴史を受けて、現代も「プロフェッショナルのための計器」としての時計を製造。視認性の高い文字盤や反射を防ぐコーティング処理が施されたサファイアクリスタルガラスを採用。機能的なケースや力強いデザインがアクティブなスタイルを求める男性から支持されている。長らく大手グループに属さない独立企業として歩んできたが、2017年に英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズが主要株主となった。

創業年
1884年
創業地
スイス サンティミエ
拠点
スイス グレンシェン

Brand History

1884年、レオン・ブライトリングがスイス・ジュラ山脈の麓にあるサン・ティミエという小村に、複雑時計製作のアトリエを開いたことが起源。主にパイロット用のポケットウォッチやコックピットに搭載する計器などの製造を手がけてきた。2代目ガストンの時代の1915年には世界初の独立式プッシュボタンを備えた腕時計クロノグラフを発表。続く3代目のウィリーの時代には2つのプッシュボタンでスタート/ストップとリセットを操作する機構を開発し、これが現在の一般的なクロノグラフ機構の原型となる。その後もパイロット向けクロノグラフの開発に注力し、42年に回転計算尺を備える世界初のクロノグラフ「クロノマット」、52年には航空用計算尺を備える画期的な「ナビタイマー」が誕生する。現在のようなハイテク計器や管制システムが未発達だった当時、航空に必要なさまざまな計算ができるナビタイマーは世界中のパイロットに重宝された。
20世紀後半には宇宙に行った世界初のクロノグラフ「コスモノート」、ダイバーズウォッチの「スーパーオーシャン」、初代クロノマットのデザインを踏襲した「モンブリラン」などコレクションを広げる。1999年に100%COSC公認クロノメーター化を宣言し、21世紀になるとムーブメントの内製化に着手。2009年に初の完全自社開発・製造となる自動巻きクロノグラフのキャリバー01を発表、デザインを刷新したクロノマットに搭載する。12年には手巻き式のキャリバーB02、翌13年にはGMT付きのキャリバーB04を立て続けに発表。そして17年には機械式時計の複雑機構の一つとされるスプリットセコンド・クロノグラフを備えたキャリバーB03の開発へと至った。しかもこのキャリバーB03は設計を根本から見直して2つの特許を取得した新機軸。クロノグラフ製造の第一人者たる確かな技術力を示した。