Editor's Note

1960年の誕生以来、最高峰の腕時計を目指し、正確さ、美しさ、見やすさといった腕時計の本質を高い次元で追求・実現し続け、たゆまぬ進歩を重ねてきたブランド。独自の精度規格を満たした高精度キャリバーを筆頭とする機械式、セイコーのお家芸であるクオーツ式、さらにぜんまいを動力源としながら水晶振動子で調速を行うことで機械式の味わいとクオーツ並みの高精度を両立したスプリングドライブ式を展開し、いずれの駆動方式でも世界最高水準の精度を誇る。また針やインデックスの太さ・長さ、研磨の仕上げにこだわるのはひとえに視認性と美しさを両立するため。内部機構、外装ともに最高峰と呼ぶにふさわしいニッポンブランドである。

創業年
1960年
創業地
日本 東京(服部時計店)
拠点
日本 東京(セイコーホールディングス)

Brand History

1960年、「世界に挑戦する国産最高級の腕時計」というコンセプトを掲げてグランドセイコーは誕生した。母体である服部時計店(現セイコーホールディングス)は1881年に創業。1913年に国産初の腕時計を発表し、その後は世界を見据えて技術を研鑚していった。その集大成といえるのがグランドセイコーだった。
当時は高級時計といえばスイス製であり、COSC(スイス・クロノメーター検定協会)の精度テストをパスしたムーブメントに与えられる「クロノメーター」という称号が高性能の証しだった。グランドセイコーは誕生当初からこのクロノメーターの優秀規格と同一の検査を自らに課し、さらに、1966年には新たにスイス公認歩度検定局の優秀級より一段厳しい独自の精度規格を制定している。精度追求の精神は途切れることなく、69年には「V.F.A.(Very Fine Adjusted)」と名付けられた超高精度モデルを発売。その精度は日差±2秒、月差±1分以内という驚くべきものだった。誕生からわずか9年で、世界最高レベルの高精度へと到達したグランドセイコーの歩みは、高精度追求の歴史といえる。
1970年代になると、セイコー自らが世に送り出したクオーツ時計の台頭によって、グランドセイコーの開発は一時中断するが、1980年代半ばから再始動。1993年に高性能クオーツ「9F」キャリバー搭載モデルを発表し、98年に機械式のグランドセイコーも復活を遂げた。さらに2004年には機械式とクオーツの利点を融合したセイコー独自の駆動方式であるスプリングドライブ搭載モデルもラインアップ。17年には、「Grand Seiko」ロゴを12時位置に冠するダイヤルデザインに変更し、母体のセイコーから独立したブランドとして、世界の高級時計市場に本格的に参入するなど、今後の展開が注目される。