ファッションディレクターの青柳光則さんは「ただいつも着ているスーツの上着を脱いで、ネクタイをはずすだけの間違えた着こなしが定着しては本末転倒」と指摘する。【夏のスタイル】と題して、青柳さんにお薦めのシャツを選んでもらった。

フライのシャツの持ち味は、細かいステッチで縫い上げるミシン使いで実現する独特のしなやかさ。その品質の高さから、手縫いを凌駕するしなやかさを生むシャツメーカーとも賞賛されている。シャツからトータルメゾンへ進化していくブランドは少なくないが、フライが創業以来シャツ専業を貫いているのは、その品質に対する自信の表れだろう。カルロリーバをはじめとする高級シャツ生地メーカーとの取引高は、イタリア随一を誇っている。「エレガンスとクオリティ」をコンセプトに、世界中に顧客を持つシャツメーカーなのだ。

シャツ5万7000円/フライ

シャツのラインナップには、衿羽根の小振りなものが多く、ネクタイをしたときもノータイでも体にフィットするフォルムが、上品に見えるポイントだ。シャツが主張するのではなく、着る人を引き立てるシャツといわれるゆえんである。ワードローブに用意しておけば、頼もしい一着となるだろ。

エレガンスを醸しだすディテールと質感

第1ボタンと第2ボタンの間が狭く、衿元がピシッと引き締まって見える
シャツ生地の質感も上品さと涼やかさを感じさせる風合いだ

第1、第2ボタン間が狭く、衿元が開きすぎない仕様。そのためノータイでも品の良いシャツ姿となる。また、台衿から衿羽根がゆるやかに自然なカーブを描き、衿先がボディに触れるか否かの位置をキープする絶妙な加減は、型紙と縫製の高い技術を感じさせるディテールだ。素材は、カルロリーバのブロード地。ほんのり光沢がある滑らかなタッチは、フォーマルにも着用できるエレガンスを湛えている。夏のビジネスシーンでも、ここぞというキメの場面にこそ、真価を発揮してくれるだろう。

問い合わせ情報

問い合わせ情報

フライ
(ストラスブルゴ TEL:0120-383-563)


styling:Mitsunori Aoyagi(Hamish)
edit & text:Yasuyuki Ikeda(Zeroyon)
photograph:Tatsuya Ozawa(Studio Mug)