個性を打ち出すビジネスシーンに格好のシャツ～バルバ【夏のスタイル】

ファッションディレクターの青柳光則さんは「ただいつも着ているスーツの上着を脱いで、ネクタイをはずすだけの間違えた着こなしが定着しては本末転倒」と指摘する。【夏のスタイル】と題して、青柳さんにお薦めのシャツを選んでもらった。

バルバのシャツには、品の良い色気がある。衿羽根はシャープで台衿も高め。そのため衿元で男らしさを主張できるからだ。また、前台衿が高いため、ネクタイをしたときの納まりがよいことに加えてノータイでも衿の立ち上がりがよく、凛とした衿元の佇まいからは「バルバを着ている」ことの満足感を感じられるだろう。

縫製面では糸のテンションを調整することで、柔らかな着心地を実現している。ボディはやや細身だが、日本人の標準体型であればちょうどよくフィットするはず。

ところでイタリアでは、お腹周りがタイトなフィッティングで、颯爽と着こなしているシャツ一枚の男性を目にする。お腹が引き締まっていなくても、ルーズなシルエットよりは少しきつめのフィッティングの方が様になるのだ。

衿羽根の存在を顎で感じ取れるといわれるのがナポリ流。バルバの特徴もまた、高い前台衿にある。台衿の低いインターナショナルなスタイルとは対極だが、「シャツはこうでなければ」というナポリスタイルの愛好家も多い。

衿や袖付け部分は、手作業による縫製だ。量産ファクトリー製のシャツにも、部分的に手作業を用いることで妥協のない着心地を追求している。厚めの貝ボタンも伝統の仕様。飾りの少ないシャツ1枚の姿に、厚めの貝ボタンはいい自己主張にもなる。自分の印象を強めたい営業マンや自営業の方にとっては個性を演出する最高の武器となるはずだ。