ファッションディレクターの青柳光則さんは「ただいつも着ているスーツの上着を脱いで、ネクタイをはずすだけの間違えた着こなしが定着しては本末転倒」と指摘する。【夏のスタイル】と題して、青柳さんにお薦めのシャツを選んでもらった。

これまで紹介した、イギリスやイタリアのシャツが優れているのはいうまでもないが、日本のシャツも負けてはいない。今回は、ストラスブルゴの山神監修オリジナルシャツである。日本でシャツ職人といえば、山神正則氏の名が必ず挙がる。独学でシャツを学び、自らセレクトショップに売り込んで名シャツ職人の評価を築き上げた山神氏のシャツは、ビスポークで5万円というまさに“シャツ好き”のためのシャツ。細部にまでこだわりぬく彼のシャツを既製品に落とし込むことで、そのエッセンスを味わえるようにしたのが山神監修のシャツなのだ。

シャツ1万9000円/ストラスブルゴ‐ヤマガミ

すべてを納得ゆくまで作り込む山神氏の技術を、ファクトリーで量産できる仕様に変更はしているが、山神シャツらしいディテールはしっかりと受け継いでいる。それはたとえば台衿のカーブの加減や、袖のいせ込み量などへのこだわりは、妥協しないものづくりの表れだ。素肌に着て心地の良い素材選びも山神シャツならでは。この1枚で着心地を体験し、次はビスポークしてみるのもいいだろう。

ビスポークのエッセンスを感じさせる1枚

日本人の顔の大きさに最適化された羽根衿。開き加減も絶妙の塩梅だ
インド綿は、洗いこむほどに肌なじみがよくなる

型紙は日本人の体型に基づいて研究されたもの。衿羽根の大きさも、日本人の標準的な顔の大きさから設定されている。セミワイドの開き加減は、ビジネスシーンでタイドアップでもノータイでも衿元が決まる、絶妙の角度となっている。

生地は洗いこむほどに味のでるインド綿を採用。着るほどに身体になじむ素材使いにも、シャツを愛してやまない職人のこだわりが表れる。

問い合わせ情報

問い合わせ情報

ストラスブルゴ‐ヤマガミ(ストラスブルゴ TEL:0120-383-563)


styling:Mitsunori Aoyagi(Hamish)
edit & text:Yasuyuki Ikeda(Zeroyon)
photograph:Tatsuya Ozawa(Studio Mug)