日本発！　世界基準のドレスシャツ～ヒトヨシ シャツ【夏のスタイル】

ファッションディレクターの青柳光則さんは「ただいつも着ているスーツの上着を脱いで、ネクタイをはずすだけの間違えた着こなしが定着しては本末転倒」と指摘する。【夏のスタイル】と題して、青柳さんにお薦めのシャツを選んでもらった。

前回のシャツ職人・山神氏監修のシャツに続き、日本のシャツの名品を紹介しよう。熊本県人吉市に本社を置くヒトヨシ シャツがそれだ。日本発・世界基準のドレスシャツを作るべく研究され、繊細な手仕事を生かし、良質なシャツを生み出している。高品質でありながらコストパフォーマンスにも優れる点も特筆したい。

イタリアの高級シャツの基本的なディテールを採用しながら、型紙は日本人体型に合わせて引かれているためフィッティングも良好だ。ジャパンメイドのラインのモデルなら、日本人としてのアイデンティティを感じることができるだろう。海外出張や外国人相手のビジネスの機会が多い人は、ヒトヨシ シャツを着て商談や打ち合わせをすれば、世界基準のドレスシャツが話題のきっかけとなって、相手と打ち解けて話が弾む、というようなことが期待できるかもしれない。

ノータイでも衿羽根が開きすぎず、品位を保てるカッタウェイは、夏シャツの勝負服として選ぶのに最適。絡み織りの素材も通気性が高く、シャリっとした素材感は汗ばむ素肌に当たっても張り付きにくく、快適に過ごすことができる。

一番下のボタンホールが横向きなので、パンツインして座ったときに可動域が広がり、動きにゆとりが生まれる。また、ボタン糸が「鳥足付け」なのは、糸足を片側に寄せることでボタンに指をかけやすくするため。どれもイタリアの高級シャツに採用される仕様だ。