ファッションディレクターの青柳光則さんは「ただいつも着ているスーツの上着を脱いで、ネクタイをはずすだけの間違えた着こなしが定着しては本末転倒」と指摘する。【夏のスタイル】と題して、青柳さんにお薦めのスラックスを選んでもらった。

デザイナーのマルコ・レ氏は、今では主流となっている肩パットを省いた薄く軽いジャケットの仕掛け人として知られる人物。彼が移籍して2017年にスタートしたデヴォレ インチピットは、次の時代のスタンダードを作り出すブランドとして注目を集めている。

パンツ5万4000円(税別)/デヴォレ インチピット

今回紹介しているのは、ブランドの特徴がよく現れているモデルだ。クラシックなパンツの構造を多用しながら、素材にはストレッチ素材を混紡し、今風のきつめのテーパードシルエットを採用。ジャケットを着ればモダンなイタリア紳士のスタイルに。また、穿き丈はくるぶしまでの短めで、折返しは6センチ幅。シューズを素足履きするスタイルが似合うよう提案されている。お堅い職場では難しいかもしれないが、服装による自己演出にトライしたいビジネスマンにとっては、魅力的なニューブランドだ。

モダンとクラシックの巧みな融合が次代のトレンドに

前開きの内側には、下腹を押さえてくれるパンチェリーナ
ストレッチ素材に混紡で、はき心地は極めて心地よい

下腹を押さえるパンチェリーナは、ミドルエイジの気になる下腹をスマートに見せてくれる先人の工夫だ。クラシカルなボタンフライとあいまって複雑に見えるが、伸縮性のある素材使いやプリーツ入りの余裕あるシルエットのおかげで、着たり脱いだりするときも、はき心地もストレスを感じさせない。

問い合わせ情報

問い合わせ情報

デヴォレ インチピット
ラ ガゼッタ 1987 青山店
03-5468-5330
11:00~20:00(年末年始を除く)


styling:Mitsunori Aoyagi(Hamish)
edit & text:Yasuyuki Ikeda(Zeroyon)
photograph:Tatsuya Ozawa(Studio Mug)