Q 業界団体の会合に出席し、団体の重鎮に気に入られるには?
A 先達への敬意を表し、かつ男らしく闊達な着こなしを
同じ業界同士の長年にわたる付き合いには、どこか体育会系のノリがあり楽しいものだ。その正式な会合ともなれば、手を抜かず正統に装うことが望ましく、その一方で、悪目立ちする華やか過ぎる着こなしは控えたい。微妙な匙加減ではあるが、英国クラブ発祥のドレススタイルを参考にするのはいかがだろう。ブルーを基調とする無地のスリーピーススーツは、まさにその典型だ。衿元を礼装的に引き締めるピンホールシャツに、紋章を配したクレストタイで仕上げれば申し分ない。紳士の品格を備えながら、ストイックな装いが完成する。
麻布テーラー クレストのスーツの魅力とは?
ハイクラスのオーダースーツが楽しめる麻布テーラーの最上位ブランド。服地のみならず副資材にも最高級を求め、熟練職人が仕立てる一着はビジネススーツの理想形といえる。
青柳さんが教える英国調を取り入れる方法
ファッションディレクターの青柳光則さんが、英国調を上手に、無理なく取り入れる方法を解説する。ぜひ、スーツの着こなしのヒントとして覚えておきたい。
POINT1 クレスト(紋章)風の小紋柄をネクタイに使う
かつて紋章を模した小紋柄のネクタイはクレストタイと呼ばれ、家紋や出身校、軍の所属などを表すものだった。
「英国貴族は身分を証明として家紋柄のネクタイを愛用していました。つまり社会人にとっての名刺のようなもの。確かな身分を明かすことはビジネスマンの信頼性という意味でも大切なことでしょう。もちろん現代のクレストタイは社章ではありませんが、装いにおいて自己の正当性を証するという意味では、こういったネクタイを印象的に利用するとスマートだと思います」(青柳)
POINT2 ベルトレスパンツでオーダースーツの粋を示す
ベルトループのないパンツは、オーダーでしっかり採寸されたスーツの証だ。
「高級なオーダースーツを着ていることを、雄弁に語るディテールです。最近では、既製品のスーツにもベルトレスのパンツがありますが、オーダースーツ風に見せることでスーツの格式を上げるというものですが、確実にフィットする人以外はサスペンダーが必要になりますよ。やはりテーラーでオーダーするのが確かでしょう。尾錠を取り付ければ、ジャケットを脱いだ時にもアクセサリーになりますね」(青柳)
styling:Mitsunori Aoyagi(Hamish)
photograph:Ryohei Watanabe
hair & make:Akira Nishihira
model:Kenji Kureyama(BARK IN STYLE)
edit & text:zeroyon lab.