Q カジュアルデーのオフィススタイルに差をつけるには
A 格子柄スーツが、ほどよい寛ぎと気品を漂わせる
金曜日に限らずカジュアルデーを設ける企業が増えている。役職に就くほどの年齢ともなると、ラフ過ぎる休日着では、普段の知的で大人な印象が壊れてしまう。部下たちの憧れでいるためには、いっそスーツにタイドアップで出勤するべきだろう。ただし、いつもとはちょっと違った柄物スーツをニットタイで装って。グレンチェックのスーツは、オン・オフ兼用できるうえ、柄立ちするものなら、若々しく遊び心も、ほどよい寛ぎ感も感じさせてくれる。ネイビーやグレーのドレッシーなスーツでは醸せない、穏やかな空気をオフィスに持ち込むことができるはずだ。仕事の後の会食も、いつもと違う流行の店にでも行ってみようという気にもなるに違いない。
ボスのスーツの魅力とは?
ドレッシーなピークトラペルに、サヴィルロウ的なチェンジ&スラントポケットを備えた堂々たるフォルムのスーツ。ここに柄立ちが明瞭なグレンプレイドを乗せることで、トレンド感とほどよいカジュアル感を漂わせてくれる。
青柳さんが教える英国調を取り入れる方法
ファッションディレクターの青柳光則さんが、英国調を上手に、無理なく取り入れる方法を解説する。ぜひ、スーツの着こなしのヒントとして覚えておきたい。
POINT1 ニットタイをドット柄と使い分ける
柄立ちするスーツにニットタイでカジュアルな着こなしとなる。ここでドット柄のモダンなネクタイに代えてみると、一気にドレスアップ感が増すので場面に応じて使い分けたい。
「ここで注意したいのはクラシックなレジメンタルタイをあわせてしまうと、英国は英国でも田舎紳士のように野暮ったくなってしまうところです。気持ちは分かりますが、いまどきグレンチェックにレジメンタルなんてイギリス人でもやりませんのでね」(青柳)
POINT2 チェンジポケットがあるだけでスーツが知的な印象に
ロンドンの高級スーツの仕立屋街であるサヴィルロウのアイコン的なデザインといえば、チェンジ&スラントポケット。
「チェンジポケットが付くだけでもスーツがぐっと知的な大人っぽい印象となります。これはどうやらチェンジ=小銭を分別して収納する上着は、ロンドンの金融街に勤めるビジネスマンのユニフォームとして着られていたという、まことしやかな噂が出自らしいのです。そのためインテリジェンスのあるビジネスエグゼクティブは、サヴィルロウでチェンジポケット付きのスーツを仕立てるのがステイタスとして知られるようになり、いまでもチェンジポケット付きのスーツが一目置かれるというわけなのです」(青柳)
styling:Mitsunori Aoyagi(Hamish)
photograph:Ryohei Watanabe
hair & make:Akira Nishihira
model:Kenji Kureyama(BARK IN STYLE)
edit & text:zeroyon lab.