オフタイムの足元を彩るイタリアン・エレガンス
週末、仕事から解放され、自分だけの趣味の時間を満喫したり、パートナーと買い物を楽しんだり、愛車を駆ってドライブに出かけたりすることもあるだろう。そこで気をつけたいのが装いの品格。成熟した大人であることの品位を表すためには、たとえTシャツにショートパンツという軽装であっても足元に置く靴は品格が求められる。
トッズのドライビングシューズ「ゴンミーニ」は最適な選択。もともとドライビングシューズは、50年ほど前にフェラーリやポルシェなどの高級車を乗り回す富裕層に向けて発売された専用の靴だが、一般の人々には贅沢品ゆえか、広く普及することはなかった。しかし、1970年代後半にトッズがモカシンのソールにラバーペブル(ゴム突起)をはめ込んだ「ゴンミーニ」を考案し、ドライビング専用だったものからファッションアイテムとして認知される原動力となった。「ゴンミーニ」はイタリアの熟練した職人が一足一足ハンドメイドで製作し、糸の一本にいたるまでメイド・イン・イタリーにこだわっている。アッパーやビーフロールの整然としたハンドステッチがシューズの端正さを際立たせるとともに、手仕事の丁寧さを伝える。さらに、素足にも優しいライニングのない一枚革仕立てが特徴で、足当たり柔らかな履き心地を叶えている。「足にはめる手袋のよう」と評されるほどの、しなやかに足を包み込んでくれる感覚はぜひ堪能してもらいたい。
すっきりとしたシルエットに上質なスウェードアッパーという品がありながら気取らないスポーティーな佇まいは、きちんとした大人の休日服に洒脱な“ヌケ”を加える絶好のスパイス。これさえ履けばドレス感を損なわず、至極簡単に大人のスタイルへと着地する。ドライビングシューズの名作、その実力に頼ってみたい。
text:Masato Nachi
photograph:Kazuya Aoki
styling:Yoshiki Araki