着用者によって異なるサイズ感、時代によってトレンドが移り変わるシルエット、ディテール。古いスーツを直して受け継ぐとなると、ハードルはことのほか高い。今回の主役となった2人も、本当にスーツがアレンジできるのか半信半疑だったそうだ。

そんな不安を杞憂に変えたのが、「パーソナルオーダー byサロン・ドゥ・リデザインクローゼット・ドットネット」。アパレルのOEM事業を行う運営会社のノウハウを活かし、多様化する顧客のニーズに対応する“次世代のお直し屋”だ。高い技術力のほか、トレンドを把握して服の企画生産も担うからこそデザイン的な視点を持つ同店は2016年の誕生以来、順調に店舗数を拡大。今回は、2018年にオープンした「そごう千葉店ジュンヌ」にてお直しを行なった。

採寸からディテールの仕上がりまで、経験豊富なスタッフが丁寧に対応。その場で思いついたアイデアを投げても、親身になって相談に乗ってくれる

とはいえ、サイズの調整以外にアレンジの方向性を問われても、よほどの通でない限り即座には答えられないだろう。それは、美容業界をリードする今回の2人もほぼ同様。ただ、こちらではプロの担当者が親身に相談に乗ってくれるため、気後れする必要はない

吉原会長「ストライプって難しいよね。生地を切る場所で柄が大きく左右されるから」

宇田川取締役「確かにそうですね。じゃあ、あまりサイズは変えられないんでしょうか」

吉原会長「そんなことないでしょ。ジャケットの身幅はどう? パンツはもう少しタイトにして、ダブルに変更してみたら?」

宇田川取締役「どう……ですかね。」

吉原会長「ボタンは変えられる?」

宇田川取締役「ボタンの色は、黒っぽいネイビーのスーツに合わせて、ブルー系がいいんでしょうか」

同店では、そんなやり取りを丁寧にフォローして理想の1着に近付けてくれるのだ。

スーツのお直しの手順すべては、職人の手作業によって支えられる。寸法を測ったのち、サイズが狂いなく仕上がるようまずはチャコで印入れ。立体的なスーツを平面の生地に解きながら、丁寧に印がつけられる。その後、専用のハサミで裁断。シルエットを整え、工業用のミシンを使った縫製へと進む。ミシンは生地によって使い分けられ、実に13種類もがスタンバイ。そのほか、今回も活躍した刺繍用のミシンも並ぶ。

今ケースにおけるサイズ調整以外の大きなお直しは、パンツのタック外し、ダブル裾へのアレンジ、ジャケットのラペルの幅直しなどに収まった。場合によってはサイズを逆に大きくする必要もあるが、その際も生地によっては対応可能だという。

スタイリッシュなショップには、コーヒーやビールを提供するカフェを併設。ガラス張りのアトリエを間近で見られる設計も嬉しい

かくして、採寸から2週間で新たなスーツが到着。その出来栄えに、会長も取締役も目を細める。これまで不可能だと思われていたようなアレンジを実現する「パーソナルオーダー by サロン・ドゥ・リデザインクローゼット・ドットネット」の手腕に、今後も注目だ。

問い合わせ情報

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「パーソナルオーダー by サロン・ドゥ・リデザインクローゼット・ドットネット」
住所:千葉県千葉市中央区新町1000番地 そごう千葉店 JUNNU4階
TEL:043‐245‐2111(そごう千葉店大代表)
営業:10時~20時
定休日:不定休


text:Naoki Masuyama
photograh:Keiichi Ito