テーラリングの技を現代へ。ボスが提案する新しい日常のための"三つ揃え"とは？［これからの仕事服を探しに行こう―ボス］

2021年6月、ボスの日本最大の旗艦店となる「ボス ストア 銀座」がオープンした。場所は東京・銀座、数寄屋橋交差点の一角。このスクランブル交差点が象徴するように、年齢も性別も国籍もさまざまな人々が行き交い、いつの時代も伝統と革新が共存する街に、ブランドが目指す「多様性」を見出したことが銀座への出店の契機となった。

ボスの創業は1923年。その始まりは作業服とユニフォームの仕立て屋だった。仕立ての良さと機能的な服づくりの技術はその後スーツづくりへと受け継がれ、次第にドイツが世界に誇るトップブランドとしての地位を確立。今ではそこからさらに歩を進め、カジュアルウエアやシューズ、アイウエア、フレグランスまでもがそろうトータルファッションブランドといった印象だ。

このたび誕生したボス ストア 銀座には、そうしたボスの歩みが凝縮されているかのよう。2フロアから成る店内の2階には、確かな技術に裏打ちされたテーラリングやオーダーメイドのメイド・トゥ・メジャーのスペースが設けられ、一方の1階ではブルーやピンク、オレンジなどのカラフルなカジュアルウエアや、遊び心のあるアイテムの数々が目を引く。テーラリングの技術を継承しながらもそれに固執することのない、まさにブランドの多様性が具現された空間となっている。

ちなみに現在、同店は通常営業を行っているが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、来店日時の予約サービスも提供する。電話もしくはLINEで店内が空いていそうな時間帯を予約できる。周囲を気にすることなく買い物を楽しむためにも、ぜひ利用したい。

このフレッシュなボス ストア 銀座が提案する「これからの仕事服」、そのポイントもまたブランドが目指す多様性になるようだ。アシスタント ストア マネージャーの是永祥太さんはこう話す。

「クールビズの延長といいますか、仕事服のカジュアル化がさらに進んでいます。現在はライフスタイルも働き方も一人ひとり異なるので、それらを伺った上でその方に合ったスタイルをご提案しています。最近では、楽に履けるドローコード付きのパンツや、ジャケットとパンツにプラス1点を合わせた“新しい三つ揃え”が好評です」

是永さんが“新しい三つ揃え“と話すアイテムから紹介しよう。まずはグレーの共生地でつくられたジャケット、ボンバージャケット、トラウザーズの3アイテム。ジャケット2着、トラウザーズ1着の現代版の三つ揃えだ。

「ウール100％ですがハリがあってシワになりにくい素材です。トラウザーズはウエストゴムとドローコード付き。ベルトなしでも履けて着心地も快適です。パンツ1本で2タイプのセットアップになるので、オン・オフで使い分けるのはもちろん、出張時にも重宝すると思います。最初にジャケットとトラウザーズだけ購入された方が、後日ボンバージャケットを買い足しにいらっしゃることもありましたね」

三つ揃えの2つ目に選んだのは、夏には欠かせないシアサッカー素材のもの。トラウザーズとショート丈の2本のパンツが組み合わせられる3アイテムだ。

「仕事でも着やすいネイビーベースのシアサッカーです。ジャケットは着丈がやや短めで、裏地なしのアンコン仕立て、トラウザーズはドローコードとウエストゴム付き、ショートパンツはワンタックでゆったりとしたフォルム、というようにリラックスして着られる3アイテム。すべて伸縮性に富むストレッチテーラリングで仕立てられています」

先ほどのグレーの三つ揃えよりもカジュアル度がやや高めだが、ネイビー地にブラックの落ち着いたギンガムチェック柄は上品さも併せ持つ。夏場のテレワークはこんなショートパンツで、というのもいいし、オフタイムでも幅広く着回せそうだ。

これらの新しい三つ揃えと相性が良いシューズとして是永さんがセレクトしてくれたのが、レザースニーカーだ。曰く「ホワイトは万能。どんな服装にも合わせられます」。そして意外とお薦めなのがネイビー。カジュアルになりすぎたくない時には、こんなネイビーカラーで落ち着いた足元に仕上げたい。

最後は、まさに今の季節のビジネスに格好のアイテムをお届けしよう。ナイロンとポリウレタンの生地を使用したシャツは、通気性、防臭性、ストレッチ性を備え、さらにシワになりにくくアイロンも不要という、これ以上ないほどの高機能が特徴だ。出張や移動を想定したトラベルラインのアイテムで、ウエアのラベルに入った飛行機アイコンが目印となる。

作業服やユニフォームの仕立てから始まり、スーツのテーラリングで名を馳せて現代へ。ボスの服づくりの歴史とは仕事服の歴史だと言ってもいい。そのボスが打ち出すこれからの仕事服とは、見た目は品良く、その着心地は快適この上ない。それはまさしく仕立ての良さと機能的な服づくりという、創業以来受け継がれてきたフィロソフィーそのものだ。その最新の成果、言い換えれば見た目と着心地のポジティブなギャップは、ひとたび身にまとえば誰しもが実感できるはずだ。