ユニークな着想のシトロエンDS7クロスバック 【注目度】★★
プジョー・シトロエン・ジャポンは、2018年7月にSUV「DS7クロスバック」を日本で発売した。特徴は全長4590ミリというミドサイズのボディながら、後席が広いこと。それに細部のデザインが凝りまくっていること。ユニークな着想の商品だ。
DSは仏「シトロエン」の高級ブランドとしてスタート。これまではシトロエン車の高級仕様という商品が中心だったが、DS7クロスバックはほぼ初めての専用モデルだ。
日本には1.6リッターガソリンエンジン仕様と、2リッターディーゼルエンジン仕様が導入される。プレスリリースを見ると「フレンチラグジュアリー」とか、ちょっとワケのわからない言葉が散見されるが、たしかに居心地のよさでは群を抜いているように思える。
このクルマ独自の快適さをもたらしているのは、ひとつは先に触れたように頭上も足元も広い後席空間だ。へたなアッパーミドルクラスセダンも顔負けだと思う。もうひとつは乗り心地のよさである。路面の状況をカメラで判断して瞬時にダンピングを変える「アクティブスキャンサスペンション」のおかげという。
ぼくが乗ったのはディーゼルだが、2000rpmで400Nmの最大トルクを出すというだけあって、アクセルペダルをわずかに踏んだだけでかなり力強い加速が味わえる。強く踏み込めばさらに驚くほどの加速力を見せる。(ガソリンエンジンもいいらしいので、機会があれば追って報告します)
静粛性も高く、長距離移動でも疲労感はかなり少ない。菱形と台形のパターンを多用したスイッチ類やダッシュボードの表面処理など凝りまくっていて、移動中はこれらの眺めを楽しんでいるうちに時間が経ってしまう感もある。
SUVばやりの昨今だが、なるべく広く感じるスペースを欲しいがためにこの手のクルマを考えている層はいる。その購買理由を分析し、べつに4WDはなくても、そのぶんちょっとぜいたくで個性的な広い空間を用意するという独自の"解"は大いにアリだと思う。