出張時、見知らぬ乗客との“駅弁勝負”をしていることは、第一二回目の記事で話した。今回は「ひと時の休息を」と、その進化版を紹介。仕事の疲れを車内で癒やしてくれるお酒にも合う“おつまみ”を集めてみた。(談・マッキー牧元 以下同)

▼国技館やきとり/隠れた人気! 冷めても美味しいビールのお供

国技館やきとり/650円<販売場所:東京駅構内「駅弁屋 祭」、上野駅構内ほか>

両国国技館の地下で、大量に作られている焼き鳥で、本来は相撲観戦する人の特典であったが、それがこんなに気軽にいただけるとは! 甘辛いタレは東京ならではで、お酒が進むことこの上なし。冷えて少しだけ硬いけど、肉を一度噛み締め、二度噛み締めながらお酒を飲んでいると、時間もゆっくりと過ごせるし、何やら暖かい気分になってくる。

▼こだわり手巻きの出し巻玉子/ミシュランが認めた割烹の逸品を新幹線で!

こだわりの手巻きの出し巻玉子/648円<販売場所:東京駅構内エキュートサウスコート「えさきのおべんとう」>

なんと言っても一流割烹のだし巻きである。だし巻きをそっと噛めば、上品な香りと旨みがこぼれ出て、玉子の甘みと一緒になる。その瞬間の幸せを車内で味わえるなんて、ゼータクである。これには何といっても日本酒だろう。そうっと出しが口元からこぼれぬように噛み、そこに日本酒を少し注いでやる。途端に香りが膨らむ。ああ、たまりません。

▼特製おつまみ弁当/居酒屋好きには堪らない、お酒の進む逸品が集結

特製おつまみ弁当/1300円<販売場所:東京駅構内「駅弁屋 祭」>

「鯵の押寿し」で有名な鎌倉の大船軒製。何よりも嬉しいのは、和と洋の肴が巧みに入っていることだ。居酒屋の定番「竹輪の磯辺揚げ」や「ポテトサラダ」もあれば、ビストロの定番「キャロットラペ」や「ラタトゥイユ」もある。じっくり日本酒でもワインでもいけちゃう。その両方でもいいぞ。

▼鹿児島阿久根産小海老おつまみ揚げ/カリッとした食感、甘みにビールが進む!

鹿児島阿久根産小海老おつまみ揚げ/320円(1パック)<販売場所:東京駅構内エキュートサウスコート「大地を守るデリ」>

カラッと揚げた小エビである。これには何といってもビールでしょう。カリリとエビに歯を立てれば、甲殻類の特有の香ばしさが爆発。優しいエビの身に歯が包まれ、甘いエビの旨みが口に広がる。もう、これ大至急ビールである。ゴクゴクっと飲み干せば、エビの香りと旨みは引き潮のように消えて、箸は無意識のうちに、またエビをつかんでいる。止まりません。この繰り返しが、永遠に続けばなぁ。

▼揚蒲鉾五点盛/厳選素材の旨みを閉じ込めた上品蒲鉾

揚蒲鉾五点盛/713円<販売場所:東京駅構内グランスタB1「てとて」>

魚料理専門店「てとて」のオリジナル蒲鉾。蒲鉾自体にも質の良い魚を使い、添加物もないのでスッキリとした味わいで魚本来の甘みが滲み出てくる。そこへトウモロコシの甘みと香りやイカの歯ごたえ、イワシの旨みや……様々な香りが加わって、ぐっと味わいが持ち上がる。それぞれを、ちょとずつ囓りながら、飲み進んだり、枝豆とイカを合わせたり、ネギとイワシを合わせたりなどしても面白い。ハイボールやビールにでもいけちゃうのだ。

※紹介している弁当は季節や時間帯によっては販売していない場合がありますのでご注意ください。

マッキー牧元
(株)味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。立ち食い蕎麦から割烹、フレンチ、スィーツ、居酒屋まで、幅広いジャンルを網羅するタベアルキスト。「味の手帖」編集顧問。テレビやラジオでも活躍するほか、「料理王国」「食楽」などでも連載多数。

edit:Ryutaro Koizumi(PRESIDENT STYLE)
photograph:Jiro Ohtani