松山空港から“聖地”しまなみへ向かうシャトルバスの90分間、右肩上がりで興奮と期待が増していくのを感じた。この1泊2日を最大限に楽しむ方法を考えていると、あっという間にバスは今治市街に到着。

ひとまず、JR 今治駅の目の前にあるゲストハウス「シクロの家」で情報収集することに。ここは今治でサイクリング楽しむためのあらゆる情報を得られる一大拠点。自転車(シクロ)好きが同胞のためにNPOとして運営している。ビジター利用もできるメンテナンスルームやシャワー室、ランドリーを用意するなど、サイクリストへの“優しさ”に溢れている。

サイクリストだけでなく地元の人も訪れるというシクロの家。サイクリングを通じて人と人が交流する場にもなっている。私が訪れた際はしまなみ海道を尾道側から自転車で渡ってきたというベテランサイクリストに遭遇。これから向かうしまなみ海道についてさまざまな情報を教えてくれた。

自転車好きによる自転車好きのための「シクロの家」外観(左)と内部共用スペース(右)

今治のレンタル自転車は1日1000円のお手頃スポーツバイクから、本格的なディスクブレーキ搭載のロードバイクまで、サイクリストのニーズに合わせて選ぶことが可能だ。

今回はスポーティーにできる限り速く走りたいと思った私はシクロの家で教えてもらった「ジャイアントストア今治」へ。世界的な自転車メーカー「ジャイアント」のロードバイクをレンタルできるとあれば、自前のロードバイクを持っていくのが面倒だという人でも手ぶらで行って満足できるはずだ。

ロッカーやシャワーの貸し出しもある「ジャイアントストア今治」

今回の旅では1泊2日プランで「DEFY ADVANCED 1」を相棒に選んだ。カーボンフレームでコンポーネントはミドルクラスのSHIMANO 105。非常に軽くて扱いやすく、しなやかな乗り心地と風を切るようなスピード感は爽快そのもの。

故障や走行不能などライドの緊急時の対処法を丁寧に説明してくれた。しまなみ海道には自走不能になった場合のレスキューポイントやレスキュータクシーが存在し、必ず帰ってこられる仕組みがあるのだ。サイクリストの安全が第一に考えれいるので、初心者でも安全にサイクリングを楽しむことができる。

これで準備万端、いざ聖地しまなみへ。駅前を出発してすぐにサイクリスト視点の3つの“優しさ”に気が付いた。