1996年、L.U.Cは事件だった――ショパール Chopard
L.U.C1.96が時計業界に衝撃を与えるデビューであったならば、ファインウォッチメーカーとしてのショパールの名声を不動のものにしたのが2000年のL.U.C1.98(現98.01-L)。香箱を四つ積むこのキャリバーを搭載した「L.U.C クアトロ」は9日間巻きという超ロングパワーリザーブの時計。それを達成した技術力は最高の技術を自負する他ブランドを慌てさせた。その後トゥールビヨン、永久カレンダー、クロノグラフなど複雑時計を順調に開発し、ハイエンドの高級時計マニュファクチュールという確固とした地位を早々に築いたのだ。
2016年は、ショパールがマニュファクチュールを宣言してから20周年の記念の年である。最初のモデル「L.U.C1860」にオマージュを捧げる意味から、ケースをやや大型にし、ダイヤルも若干現代的にモディファイするなどして、「L.U.C XPS 1860」として復刻。最初のモデルがクラシシズムに程よい現代性を加味した控えめで上品なデザインだったから、今回の復刻モデルも基調を壊すようなことはしない。L.U.Cのデザインは、品格とは何か、高級とは何かを熟知している。
ほかに話題作を挙げれば、L.U.Cコレクションの最高位の複雑時計といえる「L.U.Cパーペチュアルクロノ」。フライバッククロノグラフに永久カレンダーを組み込んだ。「L.U.Cパーペチュアルツイン」はSSケースに永久カレンダーを載せた高級複雑時計の常識破りのモデルだ。
※本記事は『PRESIDENT』2016年7.12号に掲載された記事をweb用に再編集したものです。