反転ケースの魅力――ジャガー・ルクルト JAEGER-LECOULTRE
2016年はジャガー・ルクルトを代表する時計、アールデコのデザインと反転するケースで有名な「レベルソ」のアニーバーサリーイヤーである。レベルソは1931年に誕生した。ポロ競技で風防ガラスが破損することが珍しくなく、それの防止策としてケースを反転させてガラス面を守った。それがレベルソ誕生のストーリーだ。ジャガー・ルクルトがいくつかのポロの国際試合をサポートしているのもそうしたレベルソ誕生の経緯からだ。
その後、丈夫なサファイアガラスが登場すると実用的には反転の必要はなくなるのだが、反転すること自体に遊び心があり、また裏蓋にエングレービングしたり、もう一つダイヤルを装備してデュアルタイムとしたりとそのユニークさが受けた。こうしてジャガー・ルクルトの顔となっていったのだ。
そして85周年。技術力に一目置かれるジャガー・ルクルトだが、2016年は耳目を集める複雑時計を打ち上げるというよりは、記念の年にバリエーション多数になったレベルソのモデル群を、ラインを整理してグルーピングしてみせた。グループのメインとなる「レベルソ・クラシック」、メンズや複雑時計系の「レベルソ・トリビュート」、レディースモデル「レベルソ・ワン」の三つのコレクションと、特注の意匠でパーソナライズする「アトリエ・レベルソ」というサービスに区分けした。100周年を楽しみとしたい。
※本記事は『PRESIDENT』2016年7.12号に掲載された記事をweb用に再編集したものです。
※価格はすべて税別価格です。
※本特集内で使用している略語は、18K=18金、SS=ステンレススチール、YG=イエローゴールド、WG=ホワイトゴールド、PG=ピンクゴールド、RG=ローズゴールド、Pt=プラチナを表します。
text:d・e・w