マスタークロノメーター全面展開――オメガ OMEGA
一般的なMRIでも精度を保つ、時計業界最高レベルの精度
機械式時計の最大の弱点、それは磁気である。不良の大半が磁気帯びによるという。耐衝撃性や防水性などの性能は時とともに改良されてきたが、耐磁性だけは画期的な進化がない。これまでも軟鉄インナーケースで磁気をシールドする方法などはあったが、電子デバイスが身の回りに増える一方の今日、もっと強力な耐磁性能が求められるようになった。
オメガがスイス連邦計量・認定局(METAS)と共同で制定した機械式時計の精度・品質の新検査制度に、「マスター クロノメーター」がある。いくつもの検査基準の中で特に力を入れているのが耐磁性である。1万5000ガウスという強力な磁場下での精度テストをクリアしなければならないのだ。ちなみに一般的なMRI(磁気共鳴診断装置)が作動する空間の磁気がそれだという。2015年以降、オメガは検定合格第1号を出した。
※本記事は『PRESIDENT』2017年6.26号に掲載された記事をweb用に再編集したものです。