新生「ダ・ヴィンチ」と新CEOが目指すもの――アイ・ダブリュー・シー IWC
デザインワークの妙、男女問わない気品あるスタイル
「リニューアルの狙いは大きく二つある。一つは女性にも訴求できるコレクションを構築すること。もう一つは丸形の新しいスタイルを打ち出すことです。現在、高級時計マーケットの約85%は丸形。ポートフィノやポルトギーゼより、ややフォーマルなスタイルを目指した」
2017年、IWCは「ダ・ヴィンチ」コレクションのリニューアルを行った。その理由を、4月にブランドCEOに着任したクリストフ・グランジェ・ヘアはこう話した。
ダ・ヴィンチの初出は1969年。ユニークな六角形のゴールド製ケースに、IWCほかスイスの有力時計メーカーが合同開発したクオーツムーブメント、ベータ21を内蔵したものだった。クオーツ時計という当時最先端にして最高峰の技術をかの天才に見立ててダ・ヴィンチと命名、と同時に“発明の才と創造性.というアイデンティティーが確立された。以後、4桁の西暦表示付き永久カレンダー機構や酸化ジルコニウム(ハイテクセラミック)ケースなど、IWCの先進的な開発がいち早く投入されてきたが、この間、六角形から丸形へ、そしてトノー形へとケース形状を変えてきた経緯がある。
そして2017年、かつての丸形ケースを元にいま一度デザインが刷新された。ダブルステップのベゼル、丸みを帯びたリュウズ、可動式ラグなど、当時の面影を残しつつモダンにブラッシュアップするデザインワークは近年IWCが得意とするところだ。女性向け8型を含めた20型以上がそろうコレクションとなったが、その中からエグゼクティブにふさわしい2モデルをここに厳選した。
※本記事は『PRESIDENT』2017年6.26号に掲載された記事をweb用に再編集したものです。