【プレゼンター】
ローラン・ドルデ氏
エルメス・オルロジェCEO
遊び心で新しい「時」の解釈を創造する
われわれが時計を通して伝えたいのは、新しい「時」の解釈である。時を測り、管理し、コントロールしようとするのではなく、新しい時の概念を模索しながら、感情を呼び覚まし、心を解き放つような自由気ままな雰囲気をまとった時計づくりに挑戦している。
われわれはすでにあるものに倣うことはない。常に独創性を追い求め、自らの直感を信じ、時を刻むだけでなく、身に着ける人と真のパートナーになるような物語のあるオブジェを創造している。
そうした時計づくりが如実に現れているのが、「アルソー ルゥール ドゥ ラ リュンヌ」だ。この時計の魅力は日々変化する文字盤にある。2つの月の満ち欠けが文字盤全体を使って表示され、文字盤上部に南半球の夜空に浮かぶ月相を、下部に北半球の月相を見せる。
地球の南北とは逆に配置した遊び心あふれるデザイン――。そう、エルメスは逆立ちして夢を見ることを好むメゾンだとおわかりいただけるだろう。今年はこのモデルに月と火星から飛来した隕石、そして「ブラックサハラ(注:サハラ砂漠で見つかった約5億年前の隕石)」を使ったダイヤルが加わった。
もう一つ特筆すべき新作が「アルソー シュヴァル・コズミック」。手彫り職人への敬意を表し、エルメスのクリエーティビティーを新しい形で表現したメティエダールだ。
アルソー ルゥール ドゥ ラ リュンヌ
時分と日付を示す2つのインダイヤルそのものが回転して南北両半球の月相を示す独創的なムーンフェイズに、今年は文字盤のバリエーションが加わった。こちらは月から飛来した希少な隕石をダイヤルに使用したモデル。ダイヤル上部、南半球の月の表面には天馬ペガサスが描かれている。日本ではピンクゴールドケースのモデルを販売予定。
アルソー シュヴァル・コズミック
ホワイトゴールドにエングレーブを施して、速足で歩く馬を首筋や大腿部などの立体感まで丁寧に表現。周囲には同じくホワイトゴールドとラッカーで制作した波模様を配し、ダイヤルにはアベンチュリンを敷き詰めた。そのさまはまるで夜空を自由闊達にかける天馬のよう。鐙に着想を得たラグも世界観を引き立たせる。
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