Editor's Note
国内紳士ブランドとして数々の受賞歴を誇るダーバン。1980年代以降に乱立した同様のブランドが消えていくなかで現在まで継続できている背景には、確かな品質を貫く姿勢がある。それを可能にしているのが宮崎県日南市にある自社工場、ダーバン宮崎ソーイングの存在だ。織布・編立、染色整理加工、縫製、企画・販売の各工程を日本国内で行う日本製のお墨付き「J∞QUALITY」認証制度は、ダーバンがこれまで取り組んできたこだわりを公に後押しする形となった。また、海外の高級生地を取り入れたコレクションも、日本人体型を知り尽くしたモデルで展開している。「日本人の日本人による日本人のためのスーツ」として、選ぶ価値あるブランドといえる。
Brand History
レナウンとニシキの合弁会社、株式会社レナウンニシキが手がける紳士既成服をダーバンのブランド名で展開。「ダーバン」の名称は、1922年、イギリスの皇太子来日時の御召艦「レナウン号」が随伴してきた供奉艦「ダーバン号」の名に由来する。1972年に社名は株式会社ダーバンに変更された。アラン・ドロンらをCMに起用し国内外での知名度を高めることに成功。1996年に発表した「モンスーン」は、生地メーカー・日本毛織との協業から誕生したコレクション。高温多湿な日本の気候にふさわしいスーツとして、今もブランドの中核を成している。2006年にはレナウンと経営統合。創業以来、自社工場で縫製を手がけていることで、モノ作りの技術とノウハウを蓄積している。2015年秋冬から一般社団法人日本ファッション産業協議会が主体となって行う認証事業「J∞QUALITY」商品を多く展開するが、同ブランドにとっては創業時からの取り組みの延長線上である。