定番ビジネスコートといえばステンカラーコート。本企画では、第一回に選び方、第二回に手軽な着こなし方をこれまでに提案してきた。そして第三弾となる今回は、今市場において注目を集めている人気のステンカラーコートを一挙にピックアップ。そのスペックからディテールまで詳細に解説する。

凛々しく着られる軍服由来の素材使い 麻布テーラー(AZABU TAILOR)

ラグランベルテッドコート 6万7000円(オーダー価格)/麻布テーラー(麻布テーラー プレスルーム)

スーツの上からでも着ぶくれせず、細身でスマートなシルエットで着こなすにはオーダーコートが最適だ。麻布テーラーならスーツのみならず、コートもオーダーで自分だけの一着を仕立てることができる。こちら新作のステンカラーは、ベルト付きラグランスリーブで登場。いかつく見えない肩とウェストを絞ったメリハリあるシルエットなら、ビジネススタイルにも男らしさを添えることができる。ミリタリーな雰囲気を醸すのは、英国軍の耐水服にも用いられたベンタイルコットンを使っているがゆえ。打ち込みのよい高密度生地ならではのシャープなシルエットは、凛々しく勇壮な指揮官の印象で、リーダーシップを発揮するビジネスマンに相応しい。

ベンタイルは耐水性、撥水性、通気性を備える綿100%の高密度織物。英国空軍の特殊耐水服として誕生し、日本でもダイワボウがライセンスを取得。正統なる英国式の製法で1964年から製造している。

ベンタイルは軍用生地として誕生したものだが、限界高密度で織り上げるため原綿は上質な極細の超長綿でなければならない。そのため仕上がりは艷やかな光沢ある高級感ある綿布となる。

今シーズン注目のカーキモデルをラインナップ SANYO(サンヨー)

8万9000円(税別)/サンヨー(SANYO SHOKAI)

日本のコートの歴史を作ってきたサンヨー。その歴史は70余年にわたり、かつて英国の老舗ブランドの外套を日本に一躍広めたのもサンヨーだった。その第一人者が今季リリースしたステンカラー型はシックにして多機能。深味ある味わいのオリーブカーキのモデルもリリースされている。ビジネスにも使える控えめ感を軸にしつつも現代的なニーズにしっかり応えた優良品だ。素材には耐水圧と透湿の両立という先進の高機能素材を使用。超音波の溶着による特殊ミシンで縫製を行っており、縫い代が出ないため非常に柔らかな着心地とルックスを実現させている。また、内側には単体で着用可能な脱着式のダウンインナーを装備し、3シーズン着用できるスペックも特徴だ。

ボタン脱着式インナーが付属しており、3つのスタイルが楽しめるスペック。インナーにはダウンを封入しており非常に暖かく着こなせる。このインナーはコートから外してベストとしての単体使いも可能なもの。

インナーダウンはブラウンのトリミングが施されており、ファッション性の高い配色となっている。封入されているダウンは京都・山科で育成された京鴨から採取したもの。良質な国産ダウンとして注目されているのはもちろん、洗浄・加工まで国内で行うことで高い品質管理がされていることでも話題となっている。

出張用のコートとしても理想のスペック MACKINTOSH LONDON(マッキントッシュ ロンドン)

11万6000円(税別)/マッキントッシュ ロンドン(SANYO SHOKAI)

英国を代表するコートブランドとして日本でも人気の高いマッキントッシュ ロンドン。この一着はイタリア、ロロ・ピアーナ社製のストームシステムのポリエステル素材を使用したモデル。透湿性に加え、水をはじきやすい機能を備えたステンカラー型は、出張用アウターとしても実に理想的だ。

イタリアを代表する企業であるロロ・ピアーナは、カシミヤをはじめてとする高級生地の生産で名を馳せている。なかでもストームシステムは同社を代表する高機能性ファブリックのこと。優れた性能を誇りながら、スポーティに偏らずシックな外観を実現させているので、ビジネスにも使いやすい。

こちらも脱着式のライナーを装備する。しかも中綿ではなくダウンを封入しているのがポイント。非常に優れた保温性を発揮する。

伝統のキルティングをライナーとしてセット LAVENHAM(ラベンハム)

7万4000円(税別)/ラベンハム(BRITISH MADE 銀座店)

英国女王に仕えるミセス・エリオットが作り出したホース用ブランケットがブランドのオリジン。そのキルティング素材を用いたジャケットが多くの乗馬愛好家に受け入れられ、ラベンハムは一躍メジャーブランドの仲間入りを果したという。この一着はシックなステンカラー型コートに、ブランド伝統のキルティングライナーを加え好評を博したモデルの2018年秋冬モデル。スプリットラグラン袖(前身ごろはセットインで後身ごろはラグラン)を採用しており、ドレッシーな要素と動きやすさを両立したこだわりの仕立てとなっている。

フロントはスナップボタンを採用しており非常に使いやすい。さらに付属のキルティングライナーはジップにて着脱する便利な仕様。ライナーは長丈ゆえに腰全体から温まり、袖部分まで配されているため防寒性もばっちりだ。

問い合わせ情報

問い合わせ情報

SANYO SHOKAI TEL:0120‐340‐460
BRITISH MADE 銀座店 TEL:03‐6263‐9955


styling:Mariko Kawada
edit & text:Zeroyon Lab.
photograph:Tatsuya Ozawa(Studio Mug)