前任から顧客を引き継ぐ会合などにぴったりの色合い
たとえば上司や先輩が担当していた顧客を新たに引き継いだ場合。初顔合わせの場で重視すべきは、威厳のアピールではなく、打ち解けやすい雰囲気作りが効果的だ。ロンドンの実力派が手掛けるライトカラースーツは、イタリアの服地メーカー、ロロ・ピアーナの高級生地を使用している。柔和でありつつ優雅な艶を帯びた逸品だ。とはいえ、仕立ては英国の本格テーラードを貫いているため、構築的な縫製により実直な凛々しさを感じさせるルックスとなっている。
青柳光則さんからアドバイス▼時には優しげな淡色スーツで“おもてなし”
本特集のスタイリングをしたファッションディレクターの青柳さんが、スーツの魅力やスタイリングのコツを解説。
威厳やステイタスを匂わせるだけがスーツの役割ではありません。時には相手をもてなす寛ぎある一着を用意しておくことも、ビジネスパーソンには必要です。とはいえチープなカジュアルスーツでは逆に失礼にあたることも。写真の一着は折り目正しい英国スタイルに加え、ライトトーンかつ複数の色糸を使用した生地のため、成熟した余裕をも感じさせるもの。羽織るだけで打ち解けやすい第一印象の一歩になるのです。合わせるシャツ&タイもライトトーンに揃えることで一層砕けた雰囲気に仕上がります。
styling:Mitsunori Aoyagi(Hamish)
photograph:Ryohei Watanabe
hair & make:Akira Nishihira
model:Kenji Kureyama
edit & text:zeroyon lab.