一目置かれるインポートシャツ選び（2）～
「イタリアの男気」と「イギリスの品格」

ナポリの重鎮スーツブランドとして権勢を誇るキートン。その血筋であるバルバ兄弟により、シャツ専業ブランドとして創設されたバルバ。伝統の手技を取り込んだ仕立てを貫き、男性的な色気に加え、しなやかな着心地に徹した仕立てを矜持とする。写真のモデルはクラシックスタイルを旨としつつ、小さめの衿型を採用したモダンな一枚。トップボタンを留めないノータイスタイルなどで装う際も、衿羽根が暴れて見えず小綺麗かつ若々しい印象が作りだせる。

高級素材にこだわるバルバが近年打ち出し話題となった、独自のストレッチ生地を採用する。廉価な化繊混紡素材とは異なりキメ細かい光沢を備えつつ、十分に伸縮するところがポイント。ジャストサイズを選んでもストレスなく着こなせる。

創業1885年という由緒正しいシャツブランドとして世界に知られる老舗。英国王室ご用達の証である“ロイヤルワラント”を保持することに加え、映画『007』においてジェームズ・ボンドが愛用したことでも有名だ。そんな名門の定番シャツは、品格漂う堅めのワイドスプレッドカラーがひとつの特徴。シャツの前中心にて形状を維持する前立てを擁するノーブルな一着ゆえに、ノータイよりはタイドアップにて背筋を伸ばして着用したいモデルだ。

同ブランドにおけるワイドスプレッドカラーは「ターンブルカット」とも呼ばれ、襟元から剣先にかけて緩やかなS字を描く形状が特徴。それはジャケットのラペルからシャツ衿が飛び出すのを防ぎ、ノータイの場合でも衿形をスッキリ見せる工夫から生みだされた。

他のブランドでは見かけないターンブル＆アッサーならではの意匠として挙げられるカフの三連ボタン。英国の伝統的な3つボタンジャケットにならい、真ん中のボタンのみを留めて着こなすのが“通好み”とされる。