多くのビジネスパーソンにとって、スーツは確かに“仕事着”の意味合いが強い。とはいえフォーマル服と同様のデザインであるのは、取りも直さず相手へのリスペクトを身嗜みからアピールするためだということを忘れるべきではない。作業着よろしくポケットを手回り品で膨らませているようでは、せっかくの敬意も締まりがない。ここぞの場面を考慮して、スーツが持つ本来のシルエットを崩さぬよう、普段から腰ポケットは使用しないのが正解。昨今は柔軟な薄仕立てが主流ゆえ、特に気をつけたい。

昨今はジャストサイズで着ることに加え、芯地を減らした軽い仕立てがスーツの主流となっている。加えて写真の一着はシルクのごとき繊細な薄素材を使用したもの。腰ポケットや内ポケットに固形物を入れてしまうと如実にシルエットに響いてしまうのだ。ラフに見えることもあるので、財布や電話などの荷物は鞄に収納するのがスマート。

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text:zeroyon lab.
photograph:Ryohei Watanabe
styling:Mitsunori Aoyagi
model:Kenji Kureyama