ナンバーシュガーは2013年に表参道に1号店を開店し、20~30代の女性を中心に人気を博してきた。元飴職人という代表の前原圭輔さんが独学でたどり着いたキャラメルはしっとりとクリーミーで後味に優しい甘さが残る。味のバリエーションも豊富で全部で12種類ある。また、パンに合うキャラメルクリームも人気だ。
千駄ヶ谷工場は生産拠点の位置づけだが、店舗が併設されている。店内はキャラメル作りを間近に見られる工場見学のような楽しさと、手作りされていることで安心感を利用客が得られる仕組みになっている。
代表の前原さんと話していると、ちょうど店内に男性が入ってきて、店員さんと会話しながら商品を選んでいった。「これが理想だったんです」と前原代表。表参道店ではあまりの混雑ぶりから、客が落ち着いて店員さんとコミュニケーションを取りながら商品を選ぶことが難しかったという。その点、千駄ヶ谷工場は静かで、ゆっくりと商品を選ぶことができる。
また、表参道店は女性客が圧倒的に多かったので、男性にとっては「ハートが強くないと入れない(前原さん)」雰囲気だったという。新工場は男女が偏りなく訪れるので、男性も気後れすることなく、心ゆくまで商品を選ぶことができる。
実際にほとんどの客がギフト用として買って帰るといい、気軽に贈れて、もらって嬉しい贈答品として認知されている。また、同店のキャラメルをプレゼントしたときの反応がとてもよく、特に女性からの株が上がったと喜ぶ男性は多いそうだ。
パッケージのデザインにも趣向を凝らしている。どれもシンプルでありながら上品でキャラメルの味を損なうものはなく、どのようなシーンでもギフトとしてフィットする。中でも、一輪のバラがプリントされたギフトボックスは特に目を引く。「本物のバラを渡すとなると躊躇するが、箱にプリントされたバラを渡すのは心理的ハードルが低いと思った」と代表の前原さんはデザインの狙いを語ってくれた。
生産拠点を増設し、今後は販売窓口を増やしていくという経営の展望を明かしてくれた。しかし、大々的なPRなどはせずに徐々にビジネスを拡大していくという。ブームに乗ってブームとともに去るのではなく、徐々に、そして着実にファンを増やしていきたいという。
editor's comment
日増しに寒くなっていくこれからの季節。キャラメルの優しい甘さが一瞬寒さを和らげてくれるかもしれない。上品で人を選ばないシンプルなギフトボックスはクリスマスやバレンタイン、ホワイトデーでも重宝されそうだ。
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