新素材開発のフロントランナー――ウブロ HUBLOT

「ビッグ・バン ウニコ ブルーサファイア」。ダイヤモンドに次ぐ硬度といわれるサファイアクリスタルのブロックを3次元加工で削り出してケース、部品をつくる。サファイアクリスタルの透明性とスケルトンワークの組み合わせで自社製クロノムーブメントを透視させる。ストラップはスケルトン素材、ダイヤルはグラスファイバーなど透明素材を徹底活用。●サファイアクリスタル。ケース径45mm。自動巻き。スケルトン・ストラップ。892万円。世界限定250本〈LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ〉

素材開発に制約なし。なければ創るのがウブロ流

会長のジャン=クロード・ビバーが「ユニークネスやディファレンスがウブロの価値だ」とつねに強調し、「The Art of Fusion(異なる素材やアイデアの融合)」をブランドの旗印に掲げるウブロであるから、これまでになかったというだけでなく発想の埒外であった時計がこのブランドから生まれてくるのは当たり前といえば当たり前である。しかもビバーは発想し企画し新モデルを創り上げる「スピード」をまた強調する。であるなら次は何が出現するのか、かつて見たこともない新作をサプライズを期待してその時を待つことになる。

ケースやストラップなどの素材に限ってもその種類やユニークさにおいてウブロはダントツだろう。セラミックをケース素材に使用するのも躊ちゅうちょ躇しなかったし、その研究から、ゴールドとセラミックを融合させた「マジックゴールド」などという新素材も開発した。高級靴ブランド「ベルルッティ」とのコラボレーションでストラップからダイヤルまで一連の高級革使いでアート的な時計を創ったかと思えば、2017年はタータンチェックのファブリック使いである。ま、刺繍使いの時計があるから驚くこともないけれど。2017年最も注目すべきはカラーサファイアケースの自動巻きフライバッククロノ。とにかく透け感に魅了される。

「クラシック・フュージョン クロノグラフ イタリア インディペンデント キングゴールド」から「ハウンドトゥース」(左)と「タータン」(右)。お洒落の重要アイテムととらえるとこうなる。●ともに18Kキングゴールド。ケース径45mm。自動巻き。ラバー×ファブリック・ストラップ。371万円。世界限定各50本。〈LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ〉

※本記事は『PRESIDENT』2017年6.26号に掲載された記事をweb用に再編集したものです。