航空・宇宙業界お墨付きの新素材――ロジェ・デュブイ ROGER DUBUIS

「エクスカリバー クアトゥオール コバルト マイクロメルト」。マイクロメルトとは宇宙航空業界で使われる特殊な合金製法名。コバルトとクロムを溶融し微粒子化して合金をつくる先端的なテクノロジー。時計業界で使われるのは初めてという、先進性を輝かせる新素材だ。●コバルトクロム。ケース径48mm。手巻き。アリゲーター・ストラップ。4680万円。世界限定8本。〈ロジェ・デュブイ〉

時計初、新素材コバルトクロム合金

2017年、ロジェ・デュブイはアイコンモデル「エクスカリバー」を中心に新作を展開している。軽量化、耐久性を目的に、素材のイノベーションが注目される。

ここで取り上げているのは4個のテンプ、5個のディファレンシャルギアを備えた「エクスカリバー クアトゥオール」。4個のテンプで重力の影響を平準化、トゥールビヨンのような精度を出そうとする発想から生まれた。テンプが4個もあるモデルは他に例がなく、2013年の初出当時、その意表を突くデザインにロジェ・デュブイの“奇想”を見、強烈に印象づけられた。

新作はこの「クアトゥオール」に特殊加工したコバルトクロムを使ったニューバージョン。マイクロメルト製法という宇宙航空業界で使われる特殊なテクノロジーが使われている。この製法でつくられたコバルトクロムは化学的に均質な特別な合金となり、耐久性に優れる。

今回、この最先端素材をケース、ベゼル、ケースバック、リュウズに使用している。

※本記事は『PRESIDENT』2017年6.26号に掲載された記事をweb用に再編集したものです。
※価格はすべて税別価格です。
※本特集内で使用している略語は、18K=18金、SS=ステンレススチール、YG=イエローゴールド、WG=ホワイトゴールド、PG=ピンクゴールド、RG=ローズゴールド、Pt=プラチナを表します。

text:d・e・w