2~3泊の旅行などに用いるボストン型バッグは、ゴルフの様々なギアや着替え、それにスパイクなどを収納し持ち運ぶ鞄として非常に丁度良いサイズ。しかもスポーツアイテム然としたルックスではなく、高級かつファッショナブルな味付けのため、色々なシーンに使い回せるところも見逃せないポイントだ。そこで注目したい欧州の高級ブランドが手掛ける“ゴルフにも最適”な万能ボストンバッグ。第4回目では、歴史とモダニズムを追求しつつ、メイド・イン・フランスにこだわる「モロー・パリ」にフォーカスする。

ブランドのオリジンはナポレオン時代に遡る

「モロー・パリ」の源流を辿ると1780年代に活躍した木製美術細工職人、マルタン=ギヨーム・ビエネに行きあたる。ナポレオン・ボナパルトや王侯貴族などの旅行鞄を手掛けた天才職人のビエネは、その技を工房の中心人物であった職人たちに託すこととなり、1882年に立ち上げたブランドこそが現在における「モロー・パリ」の原点だ。20世紀の大恐慌時代にブランドは一時休眠するものの、2011年にフェドール・ジョージ・サヴチェンコがクリエイティブ・ディレクターに就任。大いなるクラフトマンシップとエスプリに富んだ意匠といったブランドの遺産を引き継ぎ復活を果す。

特に注目を集めたのが、貴族の時代に定番だった柳のバスケットをモチーフとしたジャガード織りのテキスタイル。三種の糸を緻密に織り込んだ生地は、味わいある立体感に加え耐久性や撥水性を備えており、旅行鞄の素材として申し分のないスペック。クラシカルな品格を意識したバッグデザインとの融合により、普遍的な美観を持つところも大きなポイントだ。日本では待望の本格上陸を果した「モロー・パリ」。今一番ホットなブランドであることは間違いない。

しっかりした底を持つ直方体のボストンバッグはゴルフシューズなども収納しやすい。さらにショルダーベルト付きのため重い荷物も運びやすい。ボストンバッグ「セレスタン ポロション L」W45×H22×D25cm。24万円(税別)/モロー・パリ

美観と耐久性を兼備する職人仕立ての逸品

ブランドのアイコンである柳編みを緻密なジャカード織りで表現したボストンバッグ。直方体のボディは安定感に優れており、支えることなく大きな荷物を出し入れしやすいフォルムだ。ステッチには二重の太糸を採用し丁寧な手縫いにて本体を縫い上げるなど、フランス伝統のバッグ作りを生かした製法を貫いている。補強やハンドル類に厚革を用いるなど、全体的に耐久性とともに美観を放つ仕上がりも特徴的だ。本体上部のダブルジップを開けると、目にも鮮やかなブルーの内装が目を楽しませる仕掛けも。ちなみにロイヤルブルーは「モロー・パリ」における象徴的なブランドカラーとなっている。

二重の太糸による精緻なハンドステッチも「モロー・パリ」ならではのディテール。ハンドルの付け根にはブランドの頭文字であるM字型の補強が入る

フランスの伝統的な手技を生かして

ブランドの象徴ともいえる“柳の細枝を編み込んだ格子柄”を模したジャカード素材を使用。類似のジャカード素材は19世紀のトランクにも採用されており、「モロー・パリ」では、その意匠を現代の技術にて復刻。フランスの伝統的なアトリエで限定生産されている。

問い合わせ情報

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styling:Mariko Kawada
edit & text:Zeroyon Lab.
photograph:Tatsuya Ozawa(Studio Mug)