スーツにはこだわるものの、チグハグなコートを合わせているビジネスパーソンがまだまだ多い。そもそもギャバジンのステンカラータイプは雨避けのレインコートであり、ダウンコートはカジュアル専用のスポーツアウターだ。やはり本格仕立てのスーツには、チェスターフィールド型のコートを合わせるのが本式。また、チェスターフィールド型のコートは冠婚葬祭の装いに合わせられるところも見逃せない。それなりの地位を得たエグゼクティブであるなら、コートも本格仕立てを用意しておくべきではなかろうか。

これまで機能系素材といえば、ポリエステルなどいかにも化繊然とした外観のものが多かった。しかしロロ・ピアーナ社のストームシステムは“呼吸する”先進フィルムを素材の内側に貼ることで、透湿・防風機能を実現させた新機軸。写真の一着は表地がウールゆえに、高機能素材とは思えないシックなルックスとなっている。

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text:zeroyon lab.
photograph:Ryohei Watanabe
styling:Mitsunori Aoyagi
model:Kenji Kureyama