クロノ自社製造への道、最高難度の集大成――ブライトリング BREITLING
二つの特許を取得した新機軸のスプリットセコンド
2017年のバーゼルワールドで、ブライトリングは自社開発・製造のスプリットセコンドクロノグラフ、キャリバーB03を発表。スプリットセコンドとは、クロノグラフ針とスプリット針の2本の計測用秒針により、ラップタイムや二つの出来事の時間差を計測できる機構だ。クロノグラフの中では最上位の機構にあたり、製造が困難な複雑機構の一つとされる。ブライトリングは2004年にクロノグラフ・ムーブメントの完全自社製造への切り替えに着手。自動巻きのキャリバー01、手巻きのキャリバーB02、GMT付きのキャリバーB04などを経て、今年は最高難度のスプリットセコンドへと到達。一つの集大成を見たと言っていい。
しかもこのキャリバーB03は、設計を根本から見直して二つの特許を取得した点で特筆に値する。一つが、スプリット秒針の作動時にクロノの計時精度とパワーリザーブへの影響をなくす新形状のパーツ。もう一つがスプリット秒針の停止を高精度で行うことができ、かつ製造工程の簡素化も実現した新設計の停止機構である。また同キャリバーは、70時間以上のパワーリザーブを有し、メンテナンス性にも優れたキャリバー01をベースとしているため、それらのスペックも備えている。
このキャリバーB03を載せた新作が「ナビタイマー ラトラパンテ」。ケース素材はSSと18Kレッドゴールドの2種あるが、同ブランドの記念碑的キャリバーをその目でも楽しみたいなら、シースルーバック仕様のレッドゴールドモデルを。
※本記事は『PRESIDENT』2017年6.26号に掲載された記事をweb用に再編集したものです。
※価格はすべて税別価格です。
※本特集内で使用している略語は、18K=18金、SS=ステンレススチール、YG=イエローゴールド、WG=ホワイトゴールド、PG=ピンクゴールド、RG=ローズゴールド、Pt=プラチナを表します。
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