1969年、NASAからの依頼でアポロ11号に載せる「月面採取標本格納器」を作ったゼロハリバートン。月の石を持ち帰った、そのケースは当時販売されていた商品の内装を改造しただけのものだったことから、ブランドの名は一躍世界に知られるようになった。
本体のアルミニウム合金は、高い耐久性・強度・気密性を誇り、ゼロハリバートンを象徴する素材だ。また、ラッチ(留め具)は一段と高い気密性を実現しているだけでなく、ブランドの長い歴史の中で洗練されてきた美しさを体現している。
内装はウレタンパッドを全面に採用し、収納したいものによって自由にカスタムすることが可能。仕組みは底面に配された平らなウレタンを収納したい物の形にくりぬいて、天面に張られた凹凸のあるウレタンで抑えるというもの。カメラなどの精密機器の持ち運びはもちろん、時計やサングラスなどのコレクションの保存ケースとしての使用が想定されている。シンプルなデザインながらも機能性の高さでさまざまな使い方を許容してくれる懐の深さは魅力的だ。
機能や性能への徹底したこだわりが人々を惹きつける「ゼロハリバートン」。今回のテクニカルケースにも洗練されたデザインで高級感が漂う。見た目にも性能的にも堅牢性は抜群で安心感があり、街で見かけたら「何を入れているのだろう」と思わず考えてしまいそうだ。しかし、ここまで質実剛健なテクニカルケースを見ると、月の石ほどではなくとも、消費せずに大切に所有しておきたいモノが自分にあるだろうかと問いかけずにはいられない。
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