深く静かに進化するオンリーワン――グランドセイコー Grand Seiko

「スプリングドライブ 8DAYS」。ケース裏面に8日間のパワーリザーブ・インジケーターを備える。プラチナケースの輝き、ニュアンスのあるダイヤルなど繊細な美しさも魅力だ。セイコーのプレミアムサロンとプレミアムブティックのみでの販売。●Pt。ケース径43mm。手巻きスプリングドライブ。クロコダイル・ストラップ。600万円。

2016年のセイコーは元気がいい。実用時計の最高峰、グランドセイコーではチタンケースをブラックセラミックスで覆ったモデルを発表し、セイコー アストロンではGPSソーラー時計として世界最薄となるケース厚12.4ミリに到達。日本発の高級時計を追求するクレドールで螺鈿細工や彫金、漆芸の技工を駆使したハイエンドなモデルを製作すれば、一方で機械式時計を10万円以下から取りそろえるセイコー プレザージュをグローバルブランドとしてローンチ。女性ものも充実させるなど、メカニクス、エレクトロニクス、素材、宝飾、伝統工芸……など、腕時計に関する全面的な技術に長けた世界屈指のマニュファクチュールであることを印象づけた。

機構開発の面で特筆すべきがグランドセイコーの「スプリングドライブ8DAYS」だ。スプリングドライブとは機械式と同様にぜんまいを動力源としながら、調速機構にクオーツのメカニズムを用いたセイコー独自の駆動方式のこと。機械式時計の進化形として、また電池不要の環境に優しいクオーツ時計を求めてセイコーが到達した地平である。これまでは持続時間が最大3日間だったが、新作ではトリプルバレルの採用により8日間へと飛躍的に延びた。3つの香箱を異なる設計で製造し、それらを直列につなぐことで省スペース化を図るという合理的な設計がいかにもセイコーらしい。

※本記事は『PRESIDENT』2016年7.12号に掲載された記事をweb用に再編集したものです。
※価格はすべて税別価格です。
※本特集内で使用している略語は、18K=18金、SS=ステンレススチール、YG=イエローゴールド、WG=ホワイトゴールド、PG=ピンクゴールド、RG=ローズゴールド、Pt=プラチナを表します。

text : d・e・w