ユニークなデザインのラグが目を引く。フランス語で「牛の角」を意味する「コルヌ・ドゥ・ヴァッシュ」と名付けられた時計。1955年に発表されたアイコニックな時計は生産数が非常に少なかったため、現在ではコレクターが最も熱心に探し求める時計のひとつとなった。2019年秋、ヴァシュロン・コンスタンタンはその遺産をリモデルした「ヒストリーク・コルヌ・ドゥ・ヴァッシュ 1955」を発表する。
オリジナル特有のデザインはそのままに、ケースの直径を38.5mmに拡大した。18Kホワイトゴールド製のローマ数字とアワーマーカー、時針と分針がエレガンスを添える。ダイヤルカラーはグレーをベースに、インダイヤルをスネイル仕上げにしたり、秒目盛りを白くハイライトしたりすることで、豊かな表情を作り上げている。視認性の高いブルースティールの秒針と30分積算針がアクセントとして映える。
ミラノのレザーグッズメゾン、セラピアンが製作したカーフレザーのストラップにはダークブラウンのパティーヌ仕上げが施されている。分野は違えど歴史あるメゾン同士のコラボレーションは、ヴァシュロン・コンスタンタンの歴史を彩る名モデルを現代風にアレンジする「ヒストリーク」コレクションに相応しいだろう。
「個性的なクラシシズム」を掲げるヴァシュロン・コンスタンタン。2個のプッシュピース、30分の積算計とスモールセコンドの2インダイヤルを配した伝統的な構造に、独創的で大胆なデザインを融合させている。伝統と奇抜さが違和感なく、1つの時計にまとめ上げられている。
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